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ChatGPT翻訳術 を読んで⑥:書いてあること試してみた
はじめに
こんなにも1冊の本で記事を書くとは思わなかった第6回。ようやく、後工程の英語レベル確認、指定用語通り訳の確認に至りました。
ここまでくるのも結構大変ですが、1度やったことは次もやりやすい。初回が一番難しいという精神で、一通りChatGPT翻訳術を実践してみます。
英語レベル確認
正確性エラー、流暢性エラーの確認を経て作成した文章で、英語レベルをChatGPTに判定してもらいます。
なぜか、これはWeb上のテンプレート集にはプロンプトがありませんでした。あまり使われないということでしょうか。
下の【訳文】の英語を理解するためには、CEFRでどれぐらいの英語レベルが必要ですか
これで聞いてみたところ、B2レベルであれば理解可能。B1では大意は理解できても苦戦。
流暢性エラーの修正前と修正後で比べて見ると、流暢性エラー修正後の方が形式的で文学的な表現が増えているため難度が上がっているとのことでした。
ちなみに、いくつか単語がわからなくてへこんだのですが、Oxfordのテキストチェッカーで単語の難易度を測ったら、CEFRでC1レベルが混ざっていました。落ち込むのはやめて、これを機会に覚えることにします。
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用語が指定通り訳されているか
テンプレート通りにChatGPTでチェックをかけました。
あなたはプロの翻訳のチェッカーです。下の【原文】の日本語と【訳文】の英語を比べて、用語のエラーがないかを確認してください。【訳文】の英語が以下の条件を満たすようにしてください。
今回は対訳が少ないので、問題なしです。
まだあるその他の翻訳アプローチ
そろそろ疲れてきましたが、まだあるプロンプトのヒントを逃すわけにはいきません。
翻訳のスタイル:フォーマル/カジュアルや アメリカ英語/イギリス英語の指定
テキストの種類:ニュース記事、学術論文、ブログ記事、公式文書等翻訳文の最終形態:印刷物、ウェブサイト、公式文書等
→印刷とWebサイトで翻訳が変わるのか? と疑問に思ったのでChatGPTに聞いてみましたが、残念ながら文字数制限ぐらいしか翻訳に直接影響する範囲が分らず、それも指定しないとあまり翻訳に変化が見られないのではと思いました
特定の翻訳手法を使用する:直訳、意訳、自由訳
翻訳者への特別な指示を指定する:特定の表現を避ける、省略する等
直訳、意訳、自由訳がわかりにくかったのでChatGPTに聞いてみます。
<プロンプト>
かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこ 合わせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ を 直訳、意訳、自由訳してそれぞれの違いを解説してください。
この日本の子供の歌「かえるの歌」のフレーズを取り上げて、直訳、意訳、および自由訳の例を提供し、それぞれの違いを説明します。
直訳 (Literal Translation):
"Frog pyoko pyoko, mpyoko mpyoko, together pyoko pyoko, mpyoko mpyoko."
直訳は原文の言葉と文法構造を可能な限り忠実に英語に変換する方法です。しかし、この方法は通常、原文の意味が正確に伝わらない場合や、自然でない、または意味不明な英語のフレーズを生み出す可能性があります。
意訳 (Interpretative Translation):
"Frogs hopping, hopping, together they are hopping, hopping."
意訳は原文の意味を保持しながら、ターゲット言語で自然で理解しやすい表現を使用する翻訳方法です。この方法は、文化的な違いや言語の違いを考慮し、原文の意図を可能な限り明確に伝えることを目的としています。
自由訳 (Free Translation):
"Frogs leap and bound, together they frolic around."
自由訳は原文の意味と主題を保持しながら、ターゲット言語の読者にとって魅力的で理解しやすい方法で翻訳する方法です。自由訳は、特定の表現や言葉を変更し、または追加する自由を許可し、原文の雰囲気やトーンを保持することを目的としています。
解説:
直訳は原文に非常に忠実であり、特定の単語やフレーズの正確な英訳を提供することを目的としています。しかし、これは通常、ターゲット言語での自然な表現や流暢さを欠く可能性があります。
意訳は原文の意味を保持しながら、ターゲット言語で自然な表現を提供することを目的としています。これは通常、ターゲット言語の文化的な背景や表現方法に配慮しています。
自由訳は原文の基本的な意味と主題を保持しながら、ターゲット言語での創造的な表現や自然な表現を提供することを目的としています。これは通常、ターゲット言語の文化的および言語的背景に配慮し、原文の雰囲気やトーンを保持することを目的としています。
自由訳がちょっと自由すぎる気がします。
<プロンプト>
翻訳は意訳が多い印象ですが、自由訳はどういったところに使われますか?
自由訳は特に以下のような状況や分野で利用されます:
広告とマーケティング: 自由訳は、広告やマーケティングの文書でよく使用されます。原文のメッセージやトーンを保持しながら、ターゲット市場に合わせて内容を調整する必要があるためです。自由訳は、文化的背景や地域の言語の違いを考慮して、広告のメッセージが効果的に伝わるようにするために重要です。
文学と芸術: 文学作品や映画、歌の翻訳においては、自由訳がよく用いられます。これは、原文の雰囲気、意図、芸術的表現を保持しながら、ターゲット言語の読者や視聴者にとって理解しやすく、楽しめる内容を提供するためです。
スローガンやキャッチフレーズ: スローガンやキャッチフレーズは、言葉遊びや韻を踏むなどのクリエイティブな要素が含まれていることが多く、直訳や意訳ではその魅力を十分に伝えることができない場合があります。自由訳は、これらの要素を考慮し、ターゲット言語で同様の効果を生む新しい表現を作成するのに役立ちます。
ユーモアや言葉遊び: ユーモアや言葉遊びは、文化や言語の違いによっては翻訳が困難な場合があります。自由訳は、原文のユーモアや言葉遊びを保持しながら、ターゲット言語で同様の効果を生む新しい表現を作成するのに役立ちます。
カルチャーやイディオム: 異なる文化背景を持つ読者に対して、カルチャーの違いやイディオムを理解してもらうためにも、自由訳が利用されることがあります。自由訳は、原文の意味やニュアンスを保持しながら、ターゲット言語の読者に対して理解しやすい形で表現することを可能にします。
自由訳は、翻訳者により高い創造性と言語の知識を求めるため、翻訳者のスキルと経験が非常に重要となります。
なるほど。
英語の歌を日本語訳するときは、映像の口の形に合わせるための語数制限や母音の制限もあるので自由訳と言うわけですね。
Let it go, let it goをありのままの姿見せるのよ と訳した歌詞のような。
ビジネスでの使用や、一般の発信には気にしなくて良さそうです。
翻訳アプローチをまとめてテンプレートに突っ込む
混ぜたら危険。かもしれませんが、書籍の始めで読んだ、モダリティや曖昧性の考慮、語用論的意味、情報構造の考慮も含めるとすると、テンプレートがどうなるかを考えてみました。
<プロンプト案>ーーーー
次の【原文】の日本語の文章を英語に翻訳してください。翻訳するときに以下の条件を満たしてください。
【配慮すべきポイント】
・モダリティ
・各語彙の曖昧性
・語用論的意味
・情報構造
・翻訳のスタイル:フォーマル/カジュアルや アメリカ英語/イギリス英語の指定
・翻訳者への特別な指示を記入する
【用語集】は日本語(JA)英語(EN)の対訳の用語集です。カンマ区切りのcsv形式になっています。
翻訳の目的:翻訳の目的を記入する
対象読者:対象読者を記入する
【用語集】
【原文】訳したい日本語の原文を記入する
ーープロンプト案ここまでーー
プロンプトに配慮すべきポイントをツメツメにした影響を見るため、以前、英訳を頑張った
の記事の冒頭を、もう一度英訳させます。
英訳結果を比較し、配慮すべきポイントの観点でどう変わったかを聞いてみました。
以下は変化部分の要約ですが、プロンプトをツメツメにすると結構、初回の翻訳も変わってくるということが実感できました。
モダリティ
原文は気軽な冒険という雰囲気なので、タイトルに反映して"Embarking on a Tale" in the Enchanted ChatGPT-no-Mori
曖昧性の考慮
Enchanting ChatGPT-no-Mori → Enchanted:Enchantingは継続的な魅力だが、Enchantedは一回限りの変化かもしれない
creatures → beings : 生き物を表すときより広い概念の語を選択
語用論的意味
個人ブログに相応しい個人的な感情、ストーリーテリングの雰囲気を重視して「そしたら、想定外に面白い答えが返ってきました」に”To my delight”を付け加え
情報構造
原文の語り口調に近づけている。「そんな中で、ChatGPTにこう聞いてみた時のことでした」が、Amidst this, a peculiar incident occurred when I asked ChatGPT the following: → Amidst this, a particular interaction with ChatGPT caught my fancy. に変更されていました
書籍にはまだ、ビジネスメールを書いてみよう実践編があるのですが、長くなってしまうのと、今までやってきたことの繰り返しに近いので、記事はここで完結しようと思います。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
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