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タイ人の出稼ぎ先は日本より韓国

韓国の給与は日本の給与の2倍?

チェンマイ県北部の小さな村の18歳の友人とキャンプをした時に、仕事の話をして、印象深い話が聞けたのでメモ。

彼の名前はFilmくん。私がお世話になっているワンパイ村に住む18歳。タイの高校を卒業。その後1年間、チェンマイ市内や近くの街で短期契約の仕事をしていた。

Filmくん(右)と筆者。コムローイの燃料づくりを教えてもらっていた時の一枚。

彼はタイで働いていても給与が低いので、海外で働くことを考えている。行先は韓国で、現在韓国語の語学学校に週5で通っている。

そこで私はなぜ韓国なのか聞いてみた。

私「なんで韓国なの?日本じゃダメなの?」
彼「韓国に行けば月6万バーツ(約25万円)、上手く行けば10万(42万円)バーツ稼げる。しかし、日本に行った場合は月4-5万バーツ(約17万~21万円)しか稼げない。さらに日本の方が税率が高い」

理由を聞いてみると、特段日本が好きでない限り、韓国に行くのも納得である。また、韓国での出稼ぎについては以下のことも話してくれた。

  • 高卒のタイ人が韓国で働く場合の職業は、主に工員(車などの工場)、エンジニア、農業の3つ。

  • 韓国へ出稼ぎに行くには、韓国語の試験をパスしなければいけない。だから現在チェンライの語学学校で週5で勉強している。

上記はあくまでもタイ人1人から聞いた話なので、これが全てとは言えないが、タイ人にとって日本は働きに行くのに魅力的ではない国であることが垣間見えた。

現在タイ人が海外へ働きに行く場合、どの国が多いのか気になったので軽く調べてみた。

タイ人の海外での労働者数

タイ労働省は、2024年度に10万人のタイ人労働者を海外に派遣する目標を設定している。台湾、イスラエル、韓国がトップ3の目的地であった。日本は第4位。

【派遣先Top5】

  1. 台湾:20,300人

  2. イスラエル:7,700人

  3. 韓国:7,500人

  4. 日本・スウェーデン:それぞれ6,000人

  5. マレーシア:4,000人

出所:Thaiger「Thai Ministry to send 100,000 workers abroad in fiscal year 2024」

イスラエルへの出稼ぎが多いことは知っていたが、台湾がNo.1であることは知らなかった。なぜ台湾、韓国が上位なのかを調べてみた。

台湾

日本に技能実習生として出国するためには一定期間の日本語教育を受けることが必要。また、出国までは5ヶ月程度の期間がかかり、在留期間は最大で5年である。一方で、台湾は出国までの期間が2週間程度で、在留期間は最長で12年間

日本の技能実習制度が企業の転籍を認めていないのに対して、台湾では転籍が認められている。

韓国

韓国で就労するためには一定の語学力の要件があるが、賃金水準が日本よりも高い。また、タイ現地で政府が運営する送り出し機関しか斡旋ができないため、出国に伴う金銭的な負担も少ないため日本よりも人気

出所:ファクトリーラボ株式会社「海外から見た就労先としての日本〜タイ編〜」

筆者追記:収入だけでみれば台湾より、日本の方が多い気もする。台湾の生活費が安いので、手元に残るお金が日本より台湾の方が多いということか。

イスラエルでの労働者数が多いのは、タイ人労働者の権利と福祉を保護することを保証する二国間協定があり、イスラエルは農業と介護セクターで労働者を大量に必要としているため。(Chat GPTより)

さいごに

この会話から「日本が選ばれない」というのは言い過ぎかもしれない。しかし、目の前のタイの友人は、日本ではなくて韓国を選んでいた。

日本で働くタイ人の数が減るということは、日本と関わるタイ人の数が減る→タイ人が日本を好きになる機会が減る→日本が好きなタイ人が減る ということとほぼ同義であると個人的には考えている。(※実際に日本で働くタイ人の絶対値が減っているのかは統計を確認する必要あり)

私は現在日本人に対して、タイのまだ見ぬ魅力を体感してもらうツアーを企画しようとしているが、ツアーを企画・運営する中でタイ人の方にも日本人と交流する機会をつくり、日本の良さを理解してもらい、日本・日本人のことを好きになるようにしていきたい。

自己紹介記事 ↓ 


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