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FP1級実技試験 面接体験記(2024年6月15日 PartⅡ)



■ はじめに

こんにちは、なおなおです。
FP1級実技試験の学習につきましては本当に情報量が少なかったです。自分なりの学習方法を見つけるまで何度も寄り道をしてしまいました。最終的には1か月前くらいに、自分ではこれが合っていると思った学習方法が見つかりました。
その中で非常に有用であったものの一つが先人者さまのnoteの体験談でした。別の機会があればお話ししたいと思いますが、試験が近づくにつれnoteを読み漁る時間が多くなってきました。
さて、2024年6月の実技試験は4日間行われました。東京は前半2日間であったため、後半の6月15日は地方開催で体験談を書く人が少ないかもしれないと思い、今回書かせていただきました。
少しでも受験される皆さまの参考になれればと思い、心の声も多く入れました。

改めて申しあげることではありませんが、受験時に思いついた内容ですので正解かどうかは不明です。法令等につきましてはご自身でお調べくださいますようお願い申しあげます。

私自身はPartⅡからでしたので、PartⅡから体験談を発表いたします。
なお設問につきましては、金財のHPをご参照ください。
試験問題:2024年6月 FP1級実技試験


■ 設例課題の読み込み(15分)

スタートの合図とともに設例課題の読み込みの15分が始まりました。
まずは問題用紙全体を見るまでもなく、図はない左側1ページのみの設問でした。やったー、メモが書きやすい。
次にFPへの質問事項について目を通しました。家賃滞納??退去??これは過去問とは違うパターン??ちょっと設問を見てみよう。お父さんが連帯保証人で息子が家賃滞納、これなら何とか大丈夫そう。と思いつつ、呪文を書くのを忘れたことに気が付き、あわてて左上の余白に呪文を記入。

「現権法借市税提融」 ←せいのさんの呪文を少し変更しています。
   現地確認(隣地、境界杭、交通量、騒音、におい)
   権利関係(法務局、登記簿謄本、公図、地積測量図)
   法令上の制限(自治体の都市計画課、用途地域)
   借地権(更新料の有無)
   市場環境(地元の不動産屋、インターネット)
   税金(特例)
   提案(提案内容の妥当性、取引事例)
   融資

1.Aさんから直接聞くこと
定番の取得時の取得日や取得価額の分かるもの、入居者との賃貸契約書、賃貸物件の収入状況。それからAさんの給与収入、生活費として賃料は必要か、賃貸アパートを本当に売りたいと思っているのか。
これくらいかな。
FP自身が調べて確認すること
今回は家賃滞納だし呪文はあまり関係がなさそう。しかし賃貸管理が煩わしく売却することも考えていることから、一応は書き出しておこう。定番の中からは「現権法」、売却も考えており「市」も追加、かな。

2.家賃滞納分の支払いを求めることができるか
なぜ急に家賃滞納が出てきたんだろう?これってFPが関わる問題?何か裏がある?普通に考えたら父に請求はできるよなあ。う~ん、覚えてるよ!!連帯保証人は催告と検索の抗弁権がないこと。これに紐づけて父に直接請求することは可能と答えよう、FPの回答と違うような気がするが、もしかしたら加点ポイントかな。⇒面接開始後数分で奈落の底に落とされることになるとは考えてもいませんでした。

3.退去の方法
まずは当事者同士で話し合い、今後のスケジュールを決定する。次は弁護士と司法書士による内容証明郵便かなあ。司法書士も少額だとできそうだし。時効の中断も関係あるかなあ?でも債務は承認してそうだし。分からないから話さないでおこう。そして裁判と。
この辺りで時計を見たら残り5分くらい、急がないと。

5.専門職業家
滞納に関しては、弁護士と司法書士。
売却に関しては、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、税理士、宅地建物取引士。
これで終わりかなあ、もう一度質問事項を確認しよう……。4番の質問忘れてた!!!

4.売却するときの書類
あ~、権利証の新しい名前が出てこない。何だったかなあ~。時間ないから、新しい名前は忘れましたが権利証と言おう。それから賃貸物件のため賃借人との契約書とか家賃とか収益とか。このあたりで何とかなる!!
よし!!時間ギリギリまで使って終了。


■ 面接(12分)

なお)トントントン(ドアノック)で入室。なおなおと申します。よろしくお願いいたします。

面)どうぞお掛けください。

面接官は両名とも50代〜60代の紳士の方でした。

面)では始めます。まず、Aさんから直接聞いて確認する情報は何ですか。

なお)取得時の取得日や取得価額の分かるもの、入居者との賃貸契約書、賃貸物件の収入状況、Aさんの給与収入、生活費として賃料は必要か、賃貸アパートを本当に売りたいと思っているのかです。

面)FP自身が調べて確認する情報は何ですか。

なお)現地確認で隣地や交通量などの確認をします、権利関係の確認として法務局で謄本を確認します、自治体の都市計画課で法令上の制限・用途地域の確認をします、地元の不動産会社やインターネットにより相場を確認します、滞納の解決方法について確認します。(ここまではスムーズに進行)

面)Aさんは父親に息子の家賃滞納分の支払いを求めることができますか。

なお)(いよいよ来ました!)はい、できます。

面)(顔色ひとつ変えずに)それはなぜですか。

なお)父親は連帯保証人であり、催告と検索の抗弁権がないため、請求できます(ドヤッ!これで加点だ!!)

面)それは2020年(2022年と言われたかもしれません)の民法改正前の話だね。

なお)(ええええええっ!!!)そうですか(小さい声)(これから先は主導権を握れぬまま最後まで進んでいきました)

これから連想ゲームの始まりです。

面)契約書は一切の債務となっているけどいくらでもいいの?

なお)(賃貸の話だし何百億とかはないよなあ、1億くらいかなあ、金額当てるの大変。)いくらでもいいことはないです。

面)金額に決まりがいるよねえ。

なお)はい。(決まりってやっぱり金額??)

面)抵当権と根抵当権でも使うよ。抵当権じゃなくて根抵当権で・・・。

なお)(今回は保証の話だし)根保証ですか。

面)違うなあ。限度じゃなくて・・・

なお)極度。

面)(大きな声でうなづいて)そうそう!極度額を決めなければいけないんだよ。極度額を決めなかったらどうなるの?

なお)(何を導き出そうとしているんだろう。いきなり連帯保証の契約がだめになることはないし・・・)

面)このままで大丈夫なの?有効なの?有効じゃないよねえ〜。

なお)無効。

面)(うなづいて)そうそう。無効なんですよ。勉強しておいてください。

なお)はい。(は〜、疲れた~、もうだめだ〜)

面)次に、退去を求めるにはどのような方法がありますか?

なお)まずは、当事者同士で話をして、しっかりとスケジュールを決めて返済に向けて進んでいきます。その後は、弁護士や司法書士を通じて郵便などにより督促を行います。

面)その次に裁判だと飛びすぎだよね。(なおなお、うなづく)その間に何かない?

なお)(えええ~、また連想ゲーム・・・・・・、疲れる・・・・・・)何かですか・・・・・・(小声になってしまう)、裁判じゃなくて・・・・・・。

面)二人で話し合っているけど、もっと別の場所で・・・・・・、話し合うことを・・・・・・。

なお)(何往復もキャッチボールを行い、色々と絞り出し)調停?

面)(大きな声でうなづいて)そうそう、調停。

面)では、収益物件を売却する場合、どのような種類を揃えますか。

なお)現在は名称が変わっていますが権利証、謄本や・・・・・・、

面)他に売買に必要な書類は。

なお)(今から言おうとしてたのに)収益物件なんで、入居状況や家賃、そして・・・・・・(出でこない、事業計画じゃなくて、収益が分かるものの総称、まあいいや)B/SとかP/Lが必要です。

面)それって、◯△□◯△□のことだよね。

なお)(多分、不動産に係る収益のことを言っているかと思い)はい。

面)あと、土地についてはどう。

なお)(ええっ、土地?)120㎡の土地ですよね・・・・・・(土地は何を確認するんだ?土地は実在しているし。)

面)隣から軒が出ているとか。

なお)(そっち系のことか)はい、隣地との境界、軒が出ているかどうかなどを確認します。

面)建物は古いよね。

なお)(瑕疵担保責任のこと?民法変わって、なんちゃら不適合責任に変わったな、でも正式名称知らないし・・・・・・)はい、業者に来てもらって修繕が必要かどうか、それにかかるコストの確認が必要です。

面)そういうのを何と言うの?

なお)(またまたまた連想ゲーム、何と言うと言われても・・・・・・)う~ん。

面)インスペクションと言うんだよ。

なお)はい。(聞いたことはあるけど、これは分からんなあ)

面)では必要となる職業専門家は。

なお)(ようやくここまでたどり着いた)家賃滞納の件につきましては、弁護士・司法書士、売却につきましては、司法書士・土地家屋調査士・不動産鑑定士・税理士です。

この辺りでチャイムが鳴りました。

面)具体的な相談があったらどうする。

なお)独占業務に抵触するため丁重にお断りします。

面)独占業務って詳しくは何?

なお)税理士法とか弁護士法です。

面)以上です。ありがとうございました。

なお)ありがとうございました。


■ 面接の前半が終了して

ボロボロでした。控え室に戻ってきてもため息ばかり。
初めからわからない用語であれば、それなりの対処をして面接に臨んでいたのですが、催告と検索の抗弁権で逆にプラス加点かと期待して面接に入ったので落差は半端ないものでした。
リーチ一発ツモ平和ドラ3ハネ満と思ったらチョンボと言われあたふたした感じでした。ゼロスタートじゃなく完全に点棒マイナススタートでした。
スムーズに答えられたキーワードはなく、連想ゲームで終始。正解したときの面接官の「そうそう!」だけが頭に残っています。
これから気分を入れ替えてPartⅠに向かいました。


■ 考察

ヒントはたくさんいただき、何とかしてキーワードを言わそうと試みている感じでした。逆に持ち帰りをさせてくれない雰囲気で、持ち帰りを使う暇も隙もありませんでした。
はじめに「民法改正があって極度額のない保証契約は無効になったんだよ。」と言ってくれれば理解できたのですが、「極度額」「無効」がキーワードで使えないため、面接官も苦労していた感じがしました。
その後に同一日に受験した方々とお話したのですが、民法改正を知っていた人は皆無でした。
キーワードは「極度額」「無効」「収益物件売買に必要な書類」「インスペクション」が出た人が多かったです。
今回は連帯保証人と馴染みのある用語だったため、多くの受験者も出だしで「一切の債務と書いてあるので、父親に請求可能です」と言ったと思われ、その場合は同じようなストーリーで進んでいったような気がします。
なお、PartⅠの方が受験者によって聞かれる内容がバラバラでした。
税制改正も押さえていましたが(違う日程で出題されたタワマン課税とか、相続登記の義務化など)、民法改正までは範囲外でした。今後は税制改正だけでなく民法改正まで手を広げなければいけないのかという設問でもありました。
今回の設問は次回発刊のTAC過去問集に掲載されるかどうか際どい感じがします。

この回は本当に大変でした。
今回の文字起こしで何も答えられていないことが分かりました。
違う日程がよかったとも思いましたが、違う日程の問題を見たらどれも難しかったので、どの日程でも変わらなかった気がします。

長文で申し訳ございませんでした。記憶を呼び戻し、心の声も何とか書き出しました。

(PartⅠにつづく)


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