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抗がん剤と闘う

今月もこの景色を見ることになっています。
今回は6階、東なので
ピンク色の明るい病棟。

前回とはフロアごと違います。
どうやら、院内クラスターが発生しているようで、
直接先生から電話をもらって朝、
入院の延期をするかどうか
尋ねられたくらいでした。

来週は目の注射があるし、
すっかりこの日に合わせて
遊び尽くし、
次の仕事を予定していましたので延期や断る理由もなく
決行と致しました。

前日までゴルフに出かけ、
遊んでいたので
たくさんの忘れ物を数えて、
娘に叱られながら
また
なんとかなるさと過ごしています。

2日目。
本日より、また前回と同じ
ローブレナを投与しました。

前回よりも少し減らした量になります。
100mgから75mgに減りました。
なので副作用も少なくなるのかな?ま、今回こそは大丈夫でしょ。

自分の心配より、また同室者や周りが気になっています。

この時代、
老人が多いのは、
分かっているけどさ、
朝は特に慌ただしいね。

なにかと
ウロウロしているおじいさんやおばあさんのリハビリの邪魔にならぬよう、すり抜ける形で
歩いていくのが
混雑した病棟なので
割と難しくて楽しいゲームになっている。

もちろんストールをかぶり、
逃げるように移動しているのは
変わりません。
パジャマでも目立つ女です。
仕方ありません。

今回は
のんびりとした4人部屋。
自由に自分のペースでご飯を食べ始めるおばあちゃんに、
看護師さんが大きめの声で
毎回話しかける。
「あらまだ食べ終わってないの?ゆっくり食べてねー」と言いつつ、
またすぐにやって来る。

耳の遠いおばあちゃんに話しかけるのは、看護師さんも
大変そうだなと
前回も思ったけど、
ごはんはゆっくり自分のペースで食べられるのに、
おトイレは行けない。
寝返り打たせてもらったり、
オムツを変えてもらったり
TVカードを買ってきてもらったり。コンビニまで行ってもらってる。

なのに部屋では堂々と
電話をかけて
喋りまくってる。。。

何だか赤ちゃんみたいだなと
思った。
きっと私だけではなく
みんなもそう思って対応しているのだろう。
これが仕事なのだと言われたら
わたしには、もう出来ないと思う。
少し前なら人の世話などすすんでしていたくらいだが。
きっともう出来ない。

どんな人間にも寿命がある。
ほとんどの人は気にしないで生きているけど、
寿命を知った人間こそ、この先
幸せなのではないかと感じている。

実は、私の入院はもう少しだけ
生きるための入院であり、
今回の新しい抗がん剤との闘いなのです。

(飲み薬の抗がん剤、
なんて幸せなんでしょう。)

一週間ここでその飲み薬を
試しに飲んでみて
大丈夫なら、持って帰ることができる。
と言う、チャレンジ、いや
修行みたいな入院。

じっとしていられないことが
一番の苦痛である私にとって、
なによりも修行であることは
確かなのです。

今日も朝ご飯の後、
すり抜けの術で階段で降りて
コーヒーを買って来た。

前回は5階だったのに、
今回は6階と、
降りるのも上がるのも大変。
修行もなかなかハードになって来た。

頭が痛いのは
雨のせいだ。薬のせいではない。
こっちは5年もやってるの、
それくらいわかる。
だから血圧下げる薬、
朝から2錠飲ませてくれ。

お薬の管理はこちらでと言いながら、持って来たお薬は
取り上げられてしまう。

どんな薬もというわけではないが、毎日飲んでいた薬でさえ、
先生の許可を得てから、
看護師さんからの手渡しーからの、飲んでいいお薬となる。

ほらね、あっという間に
血圧は170を超えた。
追加で降圧剤カンデサルタンを飲む。
慌てた看護師は、
先生に連絡を取るから
待ってと言って走って行った。

15分ほど待っていたが
結局、
カロナールと
吐き気どめで
ごまかすような
状況となった。

先生も必死だ。
今回は、
失敗するわけにいかない。
薬を持たせて帰さねば。
もちろんわたしもそのつもり。

ゴロゴロ寝ているだけで、
血圧が下がるかと言えば
そんな事はない。
大丈夫だろうか、めまいがして
立っているとふらふらする。
そんなの当然だ、だから
入院しているんだもの。

歳を取ったら、心臓のポンプ機能も弱る、だからある程度、
年齢重ねたら
血圧が多少は高くないと、
手足まで血液が行かないのよ
仕方がない、無理に下げる必要はないなどという本も読んだけどね。

それを言ったら、
抗がん剤で治療している患者に
点滴を打っているのはなぜなんだろう、って話にも行くし

朝ご飯には、たっぷりの白ごはんや、ヤクルト、ヨーグルト。
牛乳や食パンが出てくるのも
本当に治療の一環になっているんですかー?
ってことになる。

食べますよ、皆
そりゃ出てくれば。

糖分や塩分量がキチンと計られているのだろう、
毎食後、なにか食べたくなっている
外食ぐせのついた自分に
早目に喝を入れないと、と

ベッドの上で腹筋や、
尻トレを始めてみる。

まだまだ動ける。
まだまだ2日目。

明日も、生きてやる!!



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