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DJ WADAヒストリー ディスコ編[第1期①]

なんだかそろそろもう、
“影響を受けたもの”でもなくなってきたので
タイトル変えちゃいました。
えへ、すみません。
行き当たりばったりで書いてます!

というわけで。

高校時代は学校そっちのけで
バンド活動に明け暮れたWADAくんですが、
そんな彼もどうにかこうにか要領よく
単位ギリギリで高校を卒業します。

さあ、卒業だ!
ますます本格的にバンド活動を!
…と、いきたかったところなんですが、
高校時代から熱を注いだ当のバンドは
彼が卒業して間もなく
人間関係のもつれが原因で解散。

音楽をするために
進学も就職もしなかった彼は
アルバイトをしながら
新しいバンドを結成すべく
メンバーを探す毎日に。

アルバイトは子供向けのギター教室の先生と
(えこひいきとかする悪い先生でした。)
母親の知り合いの伝手ではじめた
六本木のアクセサリーショップの店員さん。
(ラッピングが苦手でした。)

そのアクセサリーショップの関係者に
NさんというDJがいました。
店によく出入りするNさんと話すうちに彼は、
「音楽やってるの?
ならディスコで DJをやらない?」と
誘われます。

当時、六本木界隈のディスコはDJ不足で、
一刻も早くこの人手不足を
解消したいという状態だったようで
音楽が少しでもわかるならば…!と
彼に声がかかったようです。

しかし19歳の彼はまだロック一筋。
ディスコでかかるような曲といえば
友人に連れて行かれた池袋のディスコで聴いた
Donna SummerのI feel love
くらいしか知らず
(I feel loveは好きだったようです。)
基本的にディスコには全く興味なし。
彼にとってディスコとは
自分とはあまり縁のないもの、
というイメージでした。

Nさんの誘いに最初は
興味がないと断っていた彼ですが
あまりの熱心な誘いについに根負けして
じゃ、雰囲気だけでも…と
ディスコに足を踏み入れたのが
この後30年以上も続く
長いDJキャリアの始まりとなります。

「別にすぐにDJなんて
 やらなくていいから」から
「じゃあ、今日も行ってみようか!」
「ご飯行こう!(そして奢ってもらう)」
… etc.
まるで宗教の勧誘かのごとく(笑)
巧みなNさんの誘いによってじわじわと
ディスコの世界へと取り込まれていきます。

そうして連れて行かれた店は
Nさんの働く店、
六本木スクエアビル B2Fにあった『Castel』。

当時のディスコをご存知の方には有名な
フレンチ系の高級会員制ディスコです。

一見さんでは入れない
敷居の高めなこの店の客層は
モデルや大使館などに勤める外国人、
デザイナー、アーティストなどの
いわゆる“セレブ”たち。
そんな華やかな客たちが
今でいうディスコクラシックス
(当時は違いますが)から
ロック、ラテン…など様々な音楽で踊る
煌びやかな風景は
当時、池袋のロック小僧だった彼には
夢の世界に見えました。

ちなみに当時かかってた曲は
madleen kane のlet's make love
など。

初めて触れる夢の世界に彼はいつしか
〈“DJ”というものを
やってみても面白いかなぁ…〉
などと思いはじめ、
決心もつかないままに
うっかりそれを口にしてしまいます。
人手不足を一刻も早く解消したい
Nさんはもちろんその言葉を聞き逃しません。
早速、翌日からDJ見習いとして
彼を『Castel』に入れてしまいます。

ディスコに全く興味のなかった彼が
まずやらなくてはならないことは
とにかく曲を覚えるところから。
営業中は
(平日は21〜3時頃、週末は5時頃まで)
Nさんのプレイする曲を
プレイ順にタイトルとアーティスト名…などの
曲にまつわる情報をノートにメモして
プレイリストをつくります。

実際のプレイの練習は営業が終わってから。

当時の六本木のディスコのDJスタイルは
曲と曲をミックスせず、
フェード・イン/フェード・アウトでかける
Loftスタイルのような感じが
主流だったようですが
(厳密にいうと少し解釈が違うのですが。)
彼のいた頃の『Castel』では
店の誰かが入手してきた
当時N.Y.で流行っていた店で録られたという
ミックステープを聞きながら
日本ではまだあまり確立されていなかった
ピッチを合わせて
曲と曲を切れ目なく繋いでいく
ミックスの研究をしていました。
(現在普通に行われているような感じです)
そのため、彼のDJの練習の多くは
この繋ぎの練習に費やされることに。

ちなみに、曲と曲の間にMCを入れるスタイルは
当時(’78年頃)の六本木では
殆どやられていなかったそうです。

こうして2〜3週間ほどの
短すぎる見習い期間を経て、
彼は『Castel』の系列店『fou-fou』で
ついに、というか、
人手不足のため、あっさりと
DJデビューを
果たしてしまうことになったのです。

ということで、
前回長くて読み返すのが面倒だったので
今回は彼のDJデビューと同じくあっさりめで!
次回はDJデビュー時の緊張くんのお話から。

つづく。

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