奇跡の朝

朝のコーヒースタンド。 窓際で過ごす10分 救急車が緊張して通り過ぎ 残った街は静かに見える。 高いビル 大きなパラボナアンテナ コンクリートに街路樹 足早に歩く黒っぽい人の群れ 目の前にある、これらの日常は あらゆる平和の積み重ねなんだ。 奇跡だ。 私は奇跡の中にいる。 同僚が肩を叩いて先に出た。 コーヒーを飲み干して後に続く。　 急激な寒気の訪れた春 熱いものがしみ出して仕事に向かう。 感謝をなにかの形で返そうって 心がつぶやいた。 いつも、あり