あなたのサックス ・・・・『 片想いのラブレター』
こんなこと何回わたしは、
繰り返しているだろう。
あなたの指と息が繰り出す音は、
切なすぎる。
苦しむって
わかっているのに
心が乾いてやりきれないと
結局わたしは、あなたに戻って
全身をゆだねて過ごす。
子供が大人になるほどの年月
ずっとそうでした。
真っ暗な空間に
ぽつりとあなたの気配が息づき
徐々に輪郭を現してくる。
ダークスーツの
肩のラインが
理屈抜きに好きでならない。
本当はわたし、単純なんです。
白い美しい指が小刻みに動いて
何百回も聞いているあなた