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エッセ

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体験主義で実感したことを書いています。仕事や趣味、エッセ、SNSに関することも。 これで私の半分はお分かりになるかと思います。
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2021年6月の記事一覧

夢をあやつる

始まりは寝る前に書く日記だった。 大学ノートを開いてえんぴつで書く。 サラサラと 紙の上でえんぴつの芯が 音を立てながら、 その日のことを吐き出していく。 落ち着くし楽しい。 そしてノートを閉じて眠った。 ある時、書いた日記に チカ自身の願いが混じった。 叶って欲しい小さな事。  すると 夢のなかで、ちゃんと叶った。 うわ! たかが夢だけど、 次の日は明るい気分になれた。 そんなことが 次の週にもあった。 日記に1コマか2コマ、 シーンみたいに書いて眠る。

堂島 飛行機 カンテラの君

恋で落ち込んだ人間に、 新しい恋をさせようとする友が たまにいます。 20代前半、 初恋から二番目の恋が尻切れトンボになり、 宙ぶらりんの痛手を持て余していた頃、 休日は神戸、京都に気晴らしに行くか、 大阪の堂島で、 ぼーっと過ごした頃がありました。 心斎橋、梅田、天王寺は なんとなく落ち着かなくて たまたま友人が指定した店が 堂島にあったからです。 中之島、図書館、公会堂、煉瓦の色、 風格を感じる建物が気に入って 眺めたあとは ザラザラした近くの石に座って、 空

Garçon ギャルソン !! 〜その5・ミステリー〜

レストランに研修で入った私が見た ギャルソンとの珍事第5弾。 ジャンレノは1階のバーマン。 映画『レオン』の殺し屋を演じた 俳優、ジャンレノによく似ている。 料理人を目指して、 このレストランに入り、 表でサービス修行をした1年間に、 ギャルソンに目覚め、さらに ワインと酒の世界に惚れ込み、 バーテンの資格を取った男。 私が会った時は30才手前。 日本人です。 基本、無表情、カウンターに座る男性客に、 時折り見せる笑顔が渋いです。 普段は黒い上着を着ない。 白シャ

宇宙解禁!

嬉しいです!報道特番で アメリカ国防省とUFO情報に関する 特集をしていました。 (今わたしはスターウォーズのメインタイトル を流しております。これでわたしは 奇人のレッテルを貼られるでしょう笑) IAA (International Academy of Astronautics・国際宇宙航行アカデミー) 国連が認めた非政府組織には、 地球外生命体と思われる信号を発見した時の 国際的なガイドラインが作られていたのです。 つまり事実上、国連認定の UFOとエイリアン?の担

新聞紙

新聞を取らなくなって随分たつ。 記者の方が読んだらご立腹されると思うが、 子供の頃の私にとって 新聞は情報のためより 生活に密着したものだった。 店におつかいに行くと、 野菜類は大概、新聞紙に包まれて渡された。 卵も新聞紙に包まれて渡された頃がある。 おつかいで卵を買いにいくと、 おじさんが半分の新聞紙2枚を斜め使いにし、 手前を残して5個並べ、 卵をズレないように 両端を手で抑えながら2回巻く。 そこに残りの5個を並べて2回巻き、 横を折り込み、終わりまで巻きゴムで

Garçon ギャルソン !! 〜その4・男と女〜

ギャルソンのルール、 余計なことは言わない。 軽く、さりげない空気感が一流である。 白枠のガラス扉、大理石の床、 ブルー絨毯のスペシャルロードが 天上界へ誘う・・・ 階段を上がるとそこには 異空間への案内人、ギャルソンが 「 いらっしゃいませ・・・」 それが合図。 特別な時間と空間を演出する仕事師 (今までの、その1〜その3はこちらです) レストランは、人間ドラマが生まれる場所。 特に男女にとっては、、、 A氏が、B子さんと来店し、 次の日に、C子さんと 数日後に

Garçon ギャルソン!! 〜その3・まかない〜

レストランに研修で入った私が見た ギャルソンとの珍事第3弾。今回は賄いの話。 私がいたフランス料理レストランでは 自分たちの食事をマンジェと言いました。 (過去の話は、こちらでどうぞ) レストランの開店は12 時。 フロントやお掃除係は9時入り キッチンも9時入り ギャルソンは10時に店に入ります。 そして11時、マンジェと言う ミーティングを兼ねた遅い朝食を取ります。 キッチンで若い料理人が用意しますが、 シェフもいますから、余り材料で 工夫したモノが出されます。 サ

Garçon ギャルソン!! 〜その2・ヒメ様〜

本社から研修で入った私が見た ギャルソンとの珍事を 愛をこめてつづる第2弾。 その1をお読みでなければ、まずそちらをお読み頂く方がよろしいかと思います。 そのレストランの作りは 1階が フロント、BAR&ブラッスリー 2階は 予約制レストラン 3階は パーティー用バンケットルーム。 サービスするギャルソンたち・・・ いつだって、プロはステキです。 その邪魔にならぬよう 研修初日の私は、 あっちによけ、こっちによける。 フロアーは、にぎわってまいりました♫ 担当テーブルが

かっこうが聞こえる朝に

明け方、外から鳥の声が聞こえると、 あ、朝が来たのだと、ほっとします。 私の育った場所では、 朝になると、かっこうが鳴きました。 大人になって、いろんな場所に住み、 旅もしたけれど、 私がかっこうの声を聞くことが出来たのは 故郷以外では北アルプス山中だけでした。 北国の小さな借家住まいの我が家では、 毎日かっこうの鳴き声が聞こえました。 小学校時代、運動会の日の早朝は、 いつもより2時間早く、家を出ました。 3キロ離れている小学校のグランドに、 親が座る場所を確保しに

理想の女性(ひと)

彼女に初めて会ったのは、 私が中学の頃でした。 人にどう思われようと 自分の本音を貫き通す強さ。 それから彼女は 私の理想の女性になりました。 豪華で、きらびやか、 華やかで、艶やか、 色とりどりの衣装と宝石。 そして、それらにも負けない、 美しさと存在感を放つ女性。 大きな時代の嵐に吹かれ、 豪華であった形あるもの全てが 過去のものとなり、 残骸の大地に残ったのは、 兵士たちに荒らされた館と 白茶けた砂塵。  しおれた作物すら残っていない 柵の壊れた大地。