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day239 目の前の存在を味わい尽くす。

今日は相方さんと久しぶりに会った。ふたりで出掛けるのはひと月振りだけれど、前回は出掛けた先でわたしがぶち切れてしまい途中で帰ったのだった。

旅に出る前に会えるのは、多分今日が最後だ。そう思うと、この先二度と会えないような気持ちが押し寄せてきた。
実際のところ、もちろん旅に出て無事に帰宅する気満々ではあるが、旅先で何があるかなんて分からないし、旅から戻ってエネルギーが変わってしまったら、もう一緒には居られなくなる可能性すら秘めている。
もっと言えば、明日お互いに生きている保証もないのだ。

今この瞬間世界が終わるなら。
この[イマココ]の感覚を味わいながら、今日という一日を過ごした。

一瞬一瞬を味わおう。目に焼きつけて、手で、身体全部で触れて、そのすべてを記憶しよう。
今日で終わる。今日が最期。そう思ったら、猛烈に泣きそうになってしまったのだった。

感情の波が哀しみに呑まれていた。
そんな泣きそうなわたしのことを、相方さんは無意識レベルで察してくれている。
言葉にしないで、意識に向かって話しかける。なんだかテレパシーで伝わっているような気がしている。

波が落ち着くまで、そっとしておいてくれる。
どうしたとか訊かないし、なんなら本人は無意識だから、訊くという選択肢すら浮かばないのだろう。でも逆にそれがわたしには心地良かったのだ。

ひとしきり、哀しみを味わい尽くしたら、今を楽しみ尽くしたい!という気持ちに切り換わった。やだよ、今日で終わりなんて嫌だ。もっともっと一緒に居たいんだ。その気持ちが、腹の奥からやってきた。

その気持ちは、明日になればまた変わっているかもしれないけれど。イマココでわたしが感じたことが正解なのだ。

五感のすべてを使い、相方さんの存在を味わい尽くす(食べてはいない)。細胞のひとつひとつが、存在を覚えているような感覚だ。
もしほんとうに、もう会えなくなったとしても、今日を忘れないでおこうと誓う。

今日オーダーしたコーヒーの名前は、旅ひと。
あと1週間で旅に出るわたしへ。

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