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リンパ腫だったコナス

12月19日
コナスは悪性リンパ腫とわかりました。

ついこの間まで6.5キロだった体重が
たった2週間ほどで
4.8キロになりました。
顔つきもどんどん変わっていき
あまりにも早すぎる衰弱ぶりに
私は気持ちが追いついていけません。
なんの覚悟も、まだできていません。

仰向けにされ
前足と後ろ足を押さえられ
お腹を消毒されてエコーを。
押さえられていても
プロープを当てられていても
全く抵抗をしないコナス。
ああもうこの子は
イヤがる体力すら残っていないのかと
思いました。

医師ではない私がエコー画像を見ていても
はっきりと確認できる
お腹にあるいくつかの固まり。
腎臓も、変形してしまっている。

後から見せられた
壊れた細胞。

あと、どのくらいでしょうか。

このままだと
年は、越えられないかも知れません。

え…?あと、10日…?
1週間前、私自身の気持ちは
だいぶ落ち着いていたはずなのに
それがガラガラと崩れてしまいました。
色々なケアも出来ないまま
お別れになってしまう?

抗がん剤治療をさせて欲しい。
医師は私にそう言いました。

私は宙を見つめて
できれば病院に通わず、家でゆっくりと
過ごさせてあげたいです。
痛くないように、苦しくないように
してあげたいですと答えました。
いえ、答えていたのではなく
予め用意された台本を無表情のまま
感情も込めずに
読んでいたような口調だったと思います。

しばらく黙っていた先生が言いました。

抗がん剤は、猫の場合、完全に癌細胞を
なくすことはできないのですが
できるだけ副作用が出ないように点滴を使って
調整しながら投与します。
初日は1日、預かって様子を見ます。
このままだと腫瘍はどんどん大きくなり
内臓を塞いでしまうでしょう。
それはコナスくんにとって
大変な苦痛となると思います。
コナスくんの場合
体重の激減がすごいし、進行がとても早い。

僕は、待てません。
抗がん剤を使うことで
うまくいけば、腫瘍が小さくなる場合も
ありますし
癌細胞を押さえるので
コナスくんの苦しみをやわらげることが
できると思います。

でも正直言って、抗がん剤治療を受けたその日に
亡くなってしまった子もいます。
効果が出て長く生きられた子も
たくさん、います。
副作用がひどい子もいますが
それは薬で調整します。

こんな言い方をしたら良くないですが
ある意味「賭け」だと思います。

どうされますか?

返事ができない。

わかりました、では1日。
1日だけ、考えてください。
これ以上体力が落ちたら
投与が難しくなります。
予約は取らなくていいから
「受けるなら」
21日の朝に、連れてきてください。

抗がん剤投与   薬の投与  
病院へ行くこと
コナスが感じるストレスや疲労
がんが無くなるわけではないのに
ひたすら病院へ通い、薬を打つ…?
少し良くなったとしても、再発はするだろう。
それを、この先
どのくらい繰り返していく?
これは、緩和ケアと言えるの?
強い薬は使わずに自然のままで
コナスを看取るつもりではなかったの?
何がなんだかわからない
時間がない

どうする?
どうしたらいい?
決めるのは、私。

誰に何を言われても
決めるのは自分。

タイムリミットは、もうすぐ。