2022年3月14日 読書感想文「13歳からの地政学」


 今日はホワイトデーです。チョコレートをもらった方はお返ししましたか?ちょっとお返しで食べたいものを思い浮かべた時、キルフェボンのフルーツタルトがいいなぁって思いつきました。ここは人気がありすぎるのと、一人でいつも通りかかっていたので食べたことがないのですが、昔、通っていた場所の途中で見かけた憧れのお店だったんです。
 今日は本の感想です。中年の私の中の幼い好奇心がキラキラと輝きだすような一冊。田中孝幸 著 「13歳からの地政学~カイゾクとの地球儀航海」。「地政学」という言葉と初めて出会ったような人が読んだという事実をおさえておいて下さい。そんな素人が地政学を紹介すると、政治、経済、軍事の成行きを地理的な要因で分析した学問、です。この言葉に、地理と政治の二つが入っていますが、この学問の中で歴史を語ることもできるだろうし、中学生の社会科の授業の最初にこれを学んでおいたら、社会科の全分野への興味が湧いてくるんじゃないかなぁと思いました。授業で習う知識は、長い時間によって固まった事実ですが、これは現在の国際問題を理解するのに重要な視点があるので、13歳が学校でもらう教科書も当事者として考える力をくれるのではないかと、41歳の私もとっても楽しく読めました。
 この本は、学業優秀な進学校に通う大樹君とその妹で、勉強よりもおしゃれや流行が好きな杏さんが、カイゾクと呼ばれる年齢不詳で生きた知識をたくさん持つのアンティークショップの店主に地政学の7日のレッスンを受けるという、物語風の会話形式仕立てになっています。  
 本書の最初のレッスン、海を支配することが、なぜ重要なのか?で、平和な私は、まず、驚くことになります。海の利権は、水資源や鉱物資源の確保のためだと思っていたのです。でも、海を支配することの意義はもっとたくさんあり、ウクライナとロシアの戦争が当事者に変わり、そして、南シナ海の争奪戦がより深刻であることがわかると思います。他にも、豊かになれないアフリカの国々の、私たち側にある問題も考えさせられました。
 とっても重要な内容を子供たちに知ってほしい思いで書かれたのがわかる本です。しかし、この本は、学業優秀な高校生の大樹君がいないとならないんだなぁと思うと、勉強嫌いな子が10代のうちには出会えないだろう思いも同時に湧きました。10代や20代の子が読んで、広めて欲しいです。始める事に遅いという事はないのですが、未来を託すには、若い世代に届いてほしい一冊です。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?