皮膚科受診されたCKD患者さんに抗アレルギー剤が処方されたケースで介入した症例

今回の症例は実臨床ではよくあるかも・・・
一番参考になるケースかもしれない。
この患者さんは内科通院され、降圧剤・抗血小板薬・ビスホスホネート・PPI・民剤服用継続中。
胸から首にかけてと上肢に発疹とかゆみ出現のため、内科受診後に皮膚科受診するようお伝えし、その当日皮膚科へ。その帰りに自薬局に来局。
皮膚科からはオロパタジン5mg2錠分2朝寝る前7日分と外用薬が処方。
この患者さんはCKDG3a(尿淡白は不明)
オロパタジンはCCr15~60ml/minの場合2.5mg~5mg/日(腎機能別薬剤投与方法一覧より)
って事は、この患者さんにとってはオロパタジンの投与量が多い。
CKDG3aってのはCKDのステージ=標準化でのeGFRであって、個別化eGFRだと約45ml/min
なので、明らかに投与量としては多い。
でも・・・ だからと言ってすぐに疑義する内容なのか?
来局の際の症状は酷いなあって感じたわけで・・・ 
何を優先すべきかを考える。投与量がこの患者さんにとって多いって事は、副作用出現のリスクが上昇するのだから、その事に注意すれば良いわけです。
まずは今の症状を楽にしてあげる事を優先し、副作用として何を注意するかをご本人に伝えておいて、こまめに患者さんと連絡をとって確認をするって事です。この患者さんの場合、転倒による出血や骨折リスクが高い(抗血小板薬とビスホスホネート服用継続中)わけですから、それにつながるふらつきやめまい、日中の眠気を注意しておけば良いわけです。
服用開始翌日には、やはり日中の眠気出現。めまいやふらつきは認めず。
ただ、まだかゆみが治まっておらず、外出ひかえて(自宅での転倒にも注意は必要)いらしたので、そのまま1日2回服用で継続して頂いた。眠剤については皮膚科ドクターからも持ち越しを鑑みてひかえてほしいとの事だったので中止して頂いた。
オロパタジン5mg2錠分2服用7日後に皮膚科再受診。
再受診の際にも、オロパタジン5mg2錠分2で14日処方。
その時には皮膚症状はずいぶんと軽快し、かゆみも残ってはいるが治まってきているとの事だった。
見た目にも、上肢や首の赤みがひいてた事も鑑み、皮膚科ドクターあてにトレーシングレポートで報告する事にした。

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