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KIACコミュニティプログラム_タケノ時空間散歩『この家で』2022年リサーチ日記 1

KIACコミュニティプログラムとは

滞在 アーティストをはじめとするプロジェクトメンバーが豊岡のさまざまな文化や自然をリサーチし、人々との交流を通して創作を行う3年継続のKIAC(城崎国際アートセンター)のプログラム。

* 2024年の最終年を迎えるにあたって、一年目 (2022年)のリサーチを振り返って記したものです。

2022年コミュニティプログラム開始までのこと。

万年青との出会い

「万年青」とは、1977年から市町村合併で豊岡市となる までの28年間にわたって、竹野町老人クラブ連合会から発行されていた 文集です。2020年のリサーチで、竹野浜地区の「なりい薬房」先代である故田中實治(じつじ)さんが投稿された文章のコピーをいただいたことで、その存在を知りました。

實治さんは、2021年2月に行った「この家で」パフォーマンス・インスタレーションのベニューのひとつ、田中邸の主人であった方です。その上演の記録映像の上映会を同年9月の豊岡演劇祭で行う予定でしたが、コロナ禍により演劇祭自体が中止となってしまいました。翌年2022年2月にあらためて田中邸にて「上映会&みんなでお座敷ミーティング」の場を持ち、その際のKIAC滞在中に豊岡市立図書館竹野分館へ電車で通い、「万年青」全28巻を読み進めて行きました。

城崎温泉から竹野へ行く単線電車車内

「万年青」には、竹野の方々の日常生活や思い出、行事、地域の昔話や戦争、災害などの生々しい体験まで、数々のお話が綴られています。それまで竹野の浜地区しか知らなかったのですが、生き生きとした文章に引き込まれるにつれ、その物語をたどって広い竹野の各地区を訪れたい気持ちが増していきました。

2022年よりKIAC主催のコミュニティプログラムとして「この家で」を継続することとなり、初年は夏と秋の2回のリサーチを計画していました。1回目の7月リサーチまでの期間に、まず「万年青」から抜粋コピーしてきた文章を、カテゴリー別に分類するという作業をしました。
そのカテゴリーを書きとめておきます。

1) 海・川関連 2) 行事・祭り・慣しごと 3) 仕事・農業・手仕事 4) 食・薬草など 5) 昔話・お話・言い伝え 6) 地域のこと・土地の言われ 7) 家族・孫のこと 8) 幼少期のこと・遊び 9) 日常生活 10) 動物・ペット 11) 植物 12) 言葉・方言 13) 歌 14) 災害 15) その他。

竹野マップ designed by 與田さん@KIAC

もうひとつの準備として、竹野各地の地名の入った地図を作成しました。「万年青」を読んでいて地名が出てきても、土地勘のなかった私にはまったくピンと来ないので、一目でどこの話かわかる資料として必要だったのです。ウェブ検索しても求めているものがなかったので、あちこちから集めたものでまず自作しました。これは後のリサーチでお話を聞くときに大いに役立ったので、後日この年の報告会に向けて、交流会などでも共有できる地図をつくろうと提案し、KIACスタッフ與田さんのデザインでB2サイズのビニール製タペストリー(写真)を作成しました。



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