KIACコミュニティプログラム_タケノ時空間散歩『この家で』2022年リサーチ日記 9
12月1日(木)
竹野南地区のコミュニティ・カフェ「よつば喫茶」へ。隣接の朝市では、地元の方々とおしゃべりしながら新鮮地域野菜や手作りのカゴなどを購入。(上写真)
「このカゴ、豆の収穫とかにすっごい便利。ぐやーがえぇ。」
「 ぐやーがえぇ??」
「具合がいいと書いて、ぐやーがえぇ。」 なるほど..。
よつば喫茶では手作りケーキ付きのコーヒーセット(¥200!)をいただき、お話の輪に寄せてもらって、山でのチャンバラごっこ、学校の廊下でビー玉当てなどの遊びの話、変装盆踊りの奇抜なコスチュームの思い出(トンネル開通を記念してトンネルの仮装をしたとか!)、最近の近所づきあいのお話しなどなどをお聞きしました。
12月2日(金)
インタビュー音源の書き起こしと資料整理。
12月3日(土)
ブラタケノのみなさまとミーティング。今回のリサーチ内容についての共有と、「みんなでお座敷リーディング」のための打ち合わせ。
その後、いつも通り過ぎているばかりだった松本地区を歩いてみました。
小守神社の狛犬さんたちもなかなか魅力的です。境内には今朝のミーティングで渡邊さんから聞いた‘石棒’も発見。400年ほど前にこの辺りでとれた石を焼いて削り傷をつける工房の様なものがあり、この石棒はおそらく道祖神の役割や子孫繁栄の信仰対象であったのかもしれないとのこと。
差し入れを持って、夕刻からは中竹野コミュニティの「ふれあい居酒屋」へ。巻き寿司などの手作りおつまみも並び、大賑わいでした。いつもは主に平日の昼間にリサーチをしているので、なかなか出会うことの少ない働く世代の男性にお話を聞くことができました。
12月4日(日)
インタビュー音源の書き起こしと資料整理。
12月5日(月)
「本と寝床ひととまる」の石丸さんは、竹野浜の猫崎半島沖から採取する海水で、塩作りもしています。800リットルの海水から約10 kgの塩を作る何段階にも及ぶ工程の一部を見学させてもらいに塩工房へ。
神話の中で、出雲から十三人の神々が東へ向かう途中に嵐に遭遇し、猫崎半島に避難している時に十四人目の神様がお生まれになり、この地を「誕生」と名付けたとあり、この手作りの塩の名前も「誕生の塩」と命名されています。
私が見せてもらったのは、平釜で煮詰めていって結晶をすくっていく過程でした。火力は薪。廃材や流木を活用しています。ついつい薪を焚べすぎたり、工程を急ごうとすると仕上がりに影響が出るそうで、その日の天気によって加減もしつつ、丁寧に対話しながら生まれる塩の美しいこと!
「万年青」で読んだ、何も仕事がなかった戦後の復員当初、竹野浜で塩作りを教えてもらって行商に行き、塩と米と交換してもらって生活をつないだというお話しも思い出しつつ、天然の恵のありがたさをあらためて感じる体験でした。
夜はKIACの同時期滞在アーティストグループ、ヤンナ・ヤロネン/コレクティブ・ドープによる成果発表『JOKE ‘I just wish to laugh at you’』に参加。‘笑い’というとても難しいテーマのリサーチに短期間で挑戦する勇気はすごいです。
12月6日(火)
KIAC休館日。あれこれの作業。
続きは下の2022年リサーチ日記10へ。
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