一枚絵本 『家守(やもり)』
僕はきっと竜
誰も気づいてくれないけれど 小さな竜
ざんざんと雨が降った次の日
大きな水溜りに自分の姿を映してみた
まるい頭につぶらな瞳
細く長い体は綺麗な鱗(うろこ)に包まれていた
僕は見惚れて大きく口開けると
長い舌がチロチロと顔を出した
まだ小さいから飛べないけれど
いつか大空を高く飛んでみんなに
本物の竜がまだいると知ってもらいたい
自分を知って夢を持ってから
心の中に消えない高揚感がある
夢が叶うまで
僕は誰かの家に棲みついて
守り神をして過ごそう
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