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おかしな陽気に。

夏場になると、日がな一日冷房の中で仕事をしている。
体が冷えて、肩こり腰痛を抱え、気だるい調子で過ごして
いるのだった。先月、坐骨神経痛がひどくなり、
整骨院に通っている。治療を受けて、
頂いた塗り薬を毎晩風呂上がりに塗っていたら、
いくらか痛みがひいたものの、冷房にさらされて痛みが
ぶりかえさないか、気にしている。
痛みはあっても適度な運動は大事と言われ、
毎朝ノルディックウォーキングを続けている。
東西南北、その日の気分でコースを決めて、
1時間余りの道のりを歩いている。新緑から初夏の頃、
歩く先々にバラが咲いていた。赤に黄色に白、それぞれのお宅の
庭を彩っていた。梅雨どきのころから、紫陽花を
見かけるようになる。
白や紫や薄赤のおおきな花や、がくあじさいが住宅街や、
広い道路の道端に咲いていた。歩きながら、まこと気分が
癒されたのだった。
紫陽花の時期を過ぎると、いよいよ里山や木々の緑も
深みを増してくる。そんな中、どうも気になることがある。
夏の様子が以前と変わってきているのだった。
自宅の在る路地の先に神社がある。夏になると高い木々の茂みから、
賑やかな蝉の声が聞こえてきた。昼間はミンミンゼミが景気よく、
夕方になればヒグラシがとちょいと寂しげな声で鳴いていた。
それが年々声の数が少なくなっている。
命を終えた亡きがらも、以前は路地のあちこちで見かけたのに、
少なくなっている。
蚊に刺されぬよう、仕事場でも住まいでも
蚊取り線香を焚いていた。ところが気がついたら、最近は
蚊にも刺されることがなく、線香も炊いていなかった。
みんなどこへ行っちゃったんだろう。
梅雨をむかえてもさっぱり雨が降らず、田畑の世話を
している人は、水不足を嘆いていた。
かと思えば、梅雨明け宣言が出たのちに、大雨警報が出たりする。
天気の動きのおかしさは、ちいさな生き物の暮らしぶりにも
影響を与えているのかもしれない。
蝉はいつ鳴きだすのかねえ。毎朝神社に行くたびに、
木々を見上げてしまうのだった。
自宅から歩いて1分、菩提寺のノウゼンカズラが見ごろをむかえた。
門の向こうの本堂の前に、鮮やかな朱色の花が咲いている。
毎朝お参りに伺っては、見事な咲きぐあいに見惚れているのだった。
朱色の花が落ちだすと、いよいよ暑さも盛りを迎えるのだった。

蝉時雨少し大人の少女かな。

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