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今年の終わりに。

夕方、仕事を終えて、ひと回り散歩をしていたら
電話が鳴った。母の入居している施設からで、
母が転倒してしまったという。
頭と肩と肘と腰を打ってしまい、痛がっている。
救急車で近くの長野中央病院へ搬送すると
言うのだった。
慌てて病院へ駆けつけた。
診察の結果、右側の骨盤が折れていると言われ、
そのまま入院と相成った。ベッドに寝たまま、
心細げな顔で病室に運ばれる母を見送ったら、
切なくなってしまった。
今年は厄年だったから、年明け早々に、近所の
神社でお祓いをしてもらった。
秋に、朝の散歩の折りに、わき見運転の車に
追突されて、頭を怪我した。
傷口を縫って、師走の上旬まで医者通いを
していたものの、むしろこの程度ですんだのは
幸いだった。お祓いが効いたかな。打ちどころが
悪ければ、今ごろは四十九日の法要を
されているところだった。とは言え、
友だちにずいぶんな心配をかけてしまった。
ねぎらいの言葉をたくさんいただいて、
ありがたいことと、日々の縁に感謝をした。
母のことに我が身の暮らしのこと。不安は尽きないが、
今に始まったことでもなく、
あれこれ考えても成るようにしかならない。
良い意味でのあきらめも大事。
そう思える歳になっている。
今年の厄のお清めと、新年を無事に迎えられますよう、
再び神社で、締めのお祓いをしてもらった。
屈託を抱えることもあったけれど、今年も旨い酒に
酔い酔いに過ごしていた。
酔って記憶を失くさぬように。
年の瀬になると、いつも来年への言い聞かせに
しているのに、守ったためしがない。
それというのも、気のおけない友だちに
囲まれているせいと、居心地の好い馴染みの
飲み屋のせいだった。温かなひとときに、ついつい
杯をかさね過ぎてしまうのだった。
コロナ禍落ちつかぬ中、飲み屋のご主人がたは、
今年もきびしい商いを強いられていた。
もう少し頻繁に足を運べばよかったと、
申しわけないことだった。
目上のかたを敬うこと。年下の友だちを
大事にすること。
程好い湿り気の有る縁をつづけていけますよう。
旨い酒を酌み交わせますよう。
みんなが穏やかに卯の年を迎えられますよう。
寅の年、ありがとうございました。

頂いた気遣いあまた年惜しむ。




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