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甥っ子の結婚式で。

二月十九日、宮崎の地で甥っ子の結婚式に
参加した。
ホテルを出て、式場の青島神社へ向かう。
道すがらに見えた、
ひなたサンマリンスタジアム宮崎では、侍ジャパンを
拝もうと、見物客があふれていた。
青島神社は、宮崎駅から15キロ離れた青島に在る。
緑に囲まれた島全体が境内といい、長い橋を渡って
行くと、なだらかな砂浜に立つ、赤い鳥居が見えた。
島に沿った海辺には、鬼の洗濯板といわれる、
波に削られた,ごつごつと平らな岩が延々と
つづいている。
紋付き袴の甥っ子と、白無垢姿の新婦を、
南国の穏やかな陽射しと海と空が迎えてくれた
のだった。甥っ子の父の我が兄と義姉、新婦の
親族が揃い、立派な赤い拝殿で式を行った。
神主さんの祝詞が唱えられ、新郎新婦の三々九度の
盃が交わされ、厳粛なひとときが過ぎた。
無事に執り行われ拝殿を出れば、外人の観光客たちが、
つぎつぎと新郎新婦にカメラを向けてくる。
甥っ子たちも、英語で語りかけながら笑顔で応えていた。
神社をあとにして、披露宴会場のレストランに向かえば、
招待客が集まっている。
ピアニストの兄の演奏で主役の二人が登場すると、
会場は明るい熱気と拍手に沸く。
二人の生い立ちや、これまでの暮らしぶりが、
笑顔の映像と共に紹介された。
それぞれの友人に、職場の上司やかつての恩師の祝辞が
あり、和やかな時間が過ぎていく。式の後半、甥っ子の
大学時代の音楽仲間たちが、この日のために作ってきた
曲を披露してくれた。ドラムにベースにギターに
ボーカル、五人の仲間が、演奏熱唱してくれた。
ボーカルの彼は、唄っている途中で感極まって
涙声になり、甥っ子もしみじみとした顔で
見つめていた。
好い仲間たちではないか。甥っ子のこれまでが、
温かな縁に支えられていたことが嬉しかった。
列席している皆さんも、皆晴ればれと好い顔を
している。
たくさんの明るい笑顔を拝見したのは、
久しぶりのことだった。
新郎新婦の両親への感謝の気持ちが述べられ、
無事に、記念の一日を終えられた。
丸くなるな、星になれ。
寒い冬、暖かな地で素敵なひとときを頂いた。
たけ、らんちゃん、ありがとよ。

祝宴の友の涙や春の海。












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