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久しぶりの友だちと。

善光寺の御開帳が始まってひと月余り。
コロナ禍の中、出だしの人出は静かだったものの、
4月の半ばを過ぎたあたりから、
すこしづつ参拝客が増え始め、
ゴールデンウイークを境に、どーんと
賑やかになった。
自宅の前の道路は、朝から車が数珠つなぎになり、
界隈の蕎麦屋はどこも昼前から行列ができ、
長野名物のおやきを売る店も、お客が引き切らない。
連休のさなか、宮城に暮らす友だち家族が、
参拝がてら訪ねてきてくれた。
酒屋を営んでいるかたで、普段世話になっている、
長野の酒屋の友だちを通じて、
知り合ったのだった。
いつも日本酒を愛飲している。
いちばん好きな銘柄が、宮城の伯楽星で、
何回かお蔵見学に足を運んだ。
そのたびに、お世話になっていたのだった。
この春先の東北の地震で、店が大きな被害を受けた。
当日送られてきた写メで、店内の悲惨な有様を知り、
言葉を失った。
この15年の間に、宮城は4回もの大きな地震に
やられている。そこに重ねてのコロナ禍で、
さらなる打撃を受けてしまった。
久しぶりにお会いして、近況を尋ねたら、
地震の後始末も商売も、
胸をなでおろすには、まだまだ時間がかかると
うかがえたのだった。
夕方、長野の酒屋の友だちが、宴の席を設けてくれた。
同行してきた娘さんに息子さんは、
それぞれ、社会人に大学生に成ったという。
前回会ったのは、まだ子供のときだったから、
はきはきと受け答えをする姿に、
りっぱになったなあと感心した。
娘さんは、将来飲食店を開きたいという。
ジビエ料理に興味があるといい、おっ、
長野もジビエが盛んだぞ。
今度訪ねてきたときは、ジビエの店に
案内しなくてはいけない。
息子さんは、大学で経営の勉強をしているといい、
将来は酒屋を継ぐのかな。
きびしい現状だけど、お父さんを
支えてあげたらいいなあ。
このたびは、新しく伴侶になるかたも連れてきてくれた。
地震にコロナで苦労の日がつづく中、
めでたい報告が聞けたのは、こちらも嬉しいことだった。
温かなひとときを頂いて、宮城詣でに思いが募るのだった。

ひさかたの友訪ね来て五月かな。












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