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オランダの性教育

オランダでは2012年から性教育が義務化されています。このマガジンでは、オランダで紹介されている性教育の資料を日本語にすることで、多くの方々に「世界一」とも称されるオランダの性教育事情についてお伝えできたらと思います。

オランダの性教育とその制度

日本の学習指導要領と同じように、オランダにも「中核目標」と呼ばれるものがあります。そこには性教育に関する目標があります。

初等教育中核目標38(小学校)
生徒たちは、オランダという多文化社会において重要とされる思想がどのような歴史をたどってきたかを学び、セクシュアリティやその多様性に対し、尊重する態度を持ち関わることを学ぶ。
中等教育前期中核目標43(中学校)
生徒たちは、オランダの文化や倫理観における共通点や異なる点、またそれらがどのように変化してきたかについて学び、それを自分自身や身の回りの人々やそれ以外の人々と関係づけて考えることを学ぶ。それぞれの意見や各々の生き方を尊重することが共同社会においてどのような意味をもつのかを学び、セクシュアリティや性的多様性を含む共同社会の多様性に対し、尊重する態度を持ち関わることを学ぶ。

オランダの性教育は、生物学的な部分を学ぶだけでなく、性に関わる部分の周囲にある人々の文化や人権、そして自分自身がそれらをどのように考える社会が、より多くの人々が安心して暮らせる社会につながるのか。というところまで広がっています。

オランダの性教育を支える様々な団体

オランダで義務化されている性教育は、学校の教職員だけの努力で支えられているものではなく、性教育を支える団体や企業が存在します。

これらの団体や企業は、学校の教職員が少しでも性教育の授業が行いやすいように資料を整え、オンラインリソースとして開放することで、学校現場を支えています。

その中でも"Rutgers"と呼ばれるシンクタンクは、オランダの性教育を牽引するとても重要な役割を果たしています。

Rutgers
https://www.rutgers.international/

Rutgersが提供する他言語で用意されたパンフレット

中核目標にも書かれている通り、オランダはオランダという国を多文化が共存する社会であると説明しています。原則ホームスクーリングが認められていないオランダでは、子どもたちはどこかの学校に属する必要がありますが、その学校では性教育が義務化されている状態です。

宗教や思想などの背景から、学校において性教育がなされることに難色を示す家庭もある中で、オランダという国はその姿勢を崩すことなく、誰しもが自分らしく生きられる社会に向けて性教育を進めています。

Rutgersが提供する資料の中には、保護者向け、いわゆる家庭での性教育を考え実践するための資料もありますが、そこにある「0歳から18歳の子どもの性の発達」のパンフレットはオランダ語、英語、アラビア語、トルコ語で用意されています。

0歳〜18歳の子どもの性の発達

次からはこのパンフレットを年齢別にし、簡単に日本語訳したものを記事にしていこうと思います。

最近では日本でも性教育の重要性が注目されるようになってきていますが、情報として、オランダの性教育はどのようなものなのかをお伝えできればと思っています。

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