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子どもと性について話すこと / 0歳-18歳の性教育

このマガジンでは「世界一」と称されるオランダの性教育において、この国で紹介されている性教育の資料を日本語にすることで、多くの方々に性教育の大切さをお伝えしています。

シリーズ最初は、Rutgersというオランダの性教育のシンクタンクとされる団体が提供している「0歳-18歳の性教育」というパンフレットの最後の方にある「子どもと性について話すこと」というページについてご紹介します。

子どもと性にやセックスについて話すためのヒント

ここにある6つのヒントは家族で性やセックスについて話すためのヒントになるかもしれません。

1. 誤魔化さず、子どもの質問に答えること

もし、子どもたちが聞いてくる性についての質問に、保護者が答えられない/答えない場合、子どもたちはそういった質問をすることが間違いなのではないかと思うようになります。保護者が子どもたちの発達に応じて、質問に対する答えを持たなければいけません。もし、子どもの唐突な質問に適切に答えられないと感じた場合は、誤魔化すのではなく、思ったままに答えられないということを伝えましょう。しかし、そのままうやむやにするのではなく、きちんと調べてから、後日答えるね。というように、きちんと約束をして、その約束を果たすことが大切です。

「臭いものに蓋をする」「なかったことにする」
そういった行為は子どもたちに対して無礼であり、適切な対応ではない。このことをどれくらいの大人がわかっているでしょうか。大人は全てを知っている訳ではありません。だからこそ、調べてから答えるという一連の行動を、子どもの疑問に対して示す必要があるのではないでしょうか。

2. 会話を始める前に、そのきっかけとなるものを利用する

性に関する会話を始める時、子ども自身が何かを経験し、そのネタを話題に、親子間で話をすることが簡単かもしれません。例えば、知り合いの保護者が妊娠をした時、それを話題にして子どもと妊娠について話すこともできます。他にも、テレビで"セクシー"などという言葉を聞いたとき、その言葉の意味がどのようにして使われているのか...というようなことを話せます。

性について親子間で話をする時。急に「では今日は妊娠について話をするね」という風なるのは不自然です。笑
少し話づらい話題だからこそ、リラックスした雰囲気で、何か適切なきっかけを待ってから話す方が、大人も子どもも心のままに話ができるかもしれません。

3. 適切なタイミングを待つ

もし、性に関することで、本を読んだり、性について話をしたりすることを始めているのであれば、膝を突き合わせて何かを話題にするよりも、日常の中で自然と会話を始める方が自然でしょう。例えば、子どもを車に乗せてドライブをしている時、子どもと犬の散歩をしている時、一緒に料理をしている時などが良い例です。こういった、日常の中で自然と性のトピックについて話をすることは、子どもが「親とこういった話をすることは自然なことなんだ」と思うことにもつながります。

子どもが日常の中で性について保護者と話し合える...その環境を「普通のこと」だと認識できると、話しにくいことでも「話してみようかな」と思えるようになるでしょう。そういった意味では、問題が起きてから緊張するような場面を作って話をするのではなく、日常の中に自然な話の場をつくることが大切かもしれません。

4. 子どもに対しても質問をしてみる

子どもが持っている性に対する知識を知るために「どれくらい知っているのか」「セックスについてどう考えているのか」を、保護者が質問することで知っていくこともできます。「誰が」「何を」「どこで」「どうやって」「どちらの」というような言葉を用いて、保護者自身が子どもに質問をすることも、大切なことです。

保護者が受動的に子どもからの質問に答えてばかりいるのではなく、能動的に子どもの興味や関心に働きかけることも大切ではないでしょうか。そうすれば、子ども自身も自分が興味を持っていることに対して、保護者が質問してくれる...それはつまり、自分に関心があったり、質問しても良い話題なんだと認識できることにもつながります。

5. 本を使ってみる

もし子どもとセックスについて話をすることが難しいと感じるのであれば、本を読み聞かせたり、使ってみるのも良いでしょう。もしくは、性に関する本を家のどこかにポンっと置いておき、子どもが関心を持つように促すこともいいかもしれません。もし子どもが興味を示したら、自分で読むことから始めるからです。

実は、我が家も性に関する絵本を家の本棚に何冊か忍ばせることから始めました。最初は自分で読んでいた娘も、ある日「これ読んでくれる?」と私たちの元へ持ってくるように。つまり、それが彼女にとってのタイミングだったのだと今になって思います。

6. 「もし...になったらどうする?」と聞いてみる

性に関する話題について話をする時、子どもに対して少し変化のある質問をしてみるといいでしょう。「もしこんな状況になったら、あなたはどうする?」というように質問をして、子どもがどんな風に反応するか、答えるかを知ることができます。異なる状況に関して、子ども自身が自分の力で考え、自分なりの答えを導き出すように促すことが大切です。さまざまな状況の例え話を用意して、子どもの意見や考え方を聞いてみるのもいいでしょう。

4番と同様、保護者が質問を通して子どもの考えを聞くことは大切です。子どもがどんな風に反応するか、意見を述べるか、そこからより子どもを知ることができるかもしれません。

次はパンフレットの最後のページ

次の記事が最後になりますが、「保護者へのメッセージ」のような部分をお届けできればと考えています!





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