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4歳-6歳 遊びながら学ぶ / 0歳-18歳の性教育

このマガジンでは「世界一」と称されるオランダの性教育において、この国で紹介されている性教育の資料を日本語にすることで、多くの方々に性教育の大切さをお伝えしています。

シリーズ最初は、Rutgersというオランダの性教育のシンクタンクとされる団体が提供している「0歳-18歳の性教育」というパンフレットの「4歳-6歳」のページについてご紹介します。

ルールを学ぶ

子どもたちが年齢を重ね成長していく中で、子どもたちは家庭や学校でどのように"振る舞うべき"なのか、どのような行動が許され、どのような振る舞いが許されないのかを学んでいきます。これくらいの年齢の時期には、人前で裸で走り回るべきではないことや、他の人が見ている前で自分の性器を触ったりすべきではないということがわかってきます。

オランダでも諸外国であっても、4歳-6歳の子どもたちは「遊び」の中で多くを学びます。誰かと接し、子どもながらにコミュニケーションを発達させ、その中で相手の振る舞いや行動を観察することで、自分自身の振る舞い方を変化させていくということがわかります。

お医者さんごっこ

小さな子どもたちは「お医者さんごっこ」や「おままごと」で遊ぶことを好みます。これらの遊びの中で自分以外の身体の存在から、それがどのようなものなのかを知っていきます。そして同様に、女の子と男の子の違いについても学んでいくのです。

コミュニケーションを通す遊びの1つにロールプレイングがありますが、それぞれが何かの役を演じ、関わる中で、他人の動きやその存在についても子どもなりに理解を深めていくものだと考えられます。その中には、男女の違いに対する理解も含まれています。

「赤ちゃんはどこからくるの?」

幼い子どもというのは、本当にさまざまな質問をします。それは、「知りたい」という子どもながらの好奇心の表れでもあります。時にこの年齢の子どもたちは、新しい命がどのようにして女性の子宮に宿るのかということについて質問をしてくることがあります。そして、女性の中で育った赤ちゃんがどのようにして生まれてくるのかということについても聞くことがあるでしょう。

子どもが抱く疑問や質問をやみくもにタブー視するのではなく、これらの年齢にとっては「知らないことを知りたい」という欲求があることを認めることができれば、子どもからの質問も自然と受け入れやすくなるかもしれません。子どもの知的欲求に対して蓋をするのではなく、その発達段階を受け止めることが必要かもしれません。

「男の子っぽい(もの)」や「女の子っぽい(もの)」

子どもたちは、男の子とはどういうもので、女の子とはどういうものかというようなことについて、それぞれ自分なりの考えを持っています。例えば、女の子はピンクが好きで、お人形遊びが好き。一方で、男の子はやんちゃで、車などで遊ぶのが好き。というような感じです。時に子どもたちはこういった考えに当てはまらないクラスメイトや友だちがいると、それが少し変なことだと感じることがあります。また、時には自分の性とは異なる性のものを好むことで、心地よさを感じる子どもも出てきます。こういった異なる性を自認することは思春期を過ぎた頃にやってくるのが一般的ですが、そうではない場合もあります。

異性というものを認識すると、自分はどちらに属しているのだろうか。と自然と線引きのようなものをするのがこの年齢かもしれません。自分と違った趣向や行動をする同性に対して違和感を感じるようになるのは、ある意味「性」を理解している証にも思えます。また、そこに当てはまらない自分というのを認識する子どもたちがいることもまた、あり得ることだということがわかります。

質問①:5歳の息子がよく友だちとお医者さんごっこをしています。そのままにしておいて良いのでしょうか?

お医者さんごっこをすることは何の問題もありません。この年齢の遊びとしてはよくあることです。ただ、子どもとはいくつかのルールを確認しておくことが必要でしょう。
例えばこのようなことです;

- 周囲の子どもたちがお医者さんごっこをしていても、自分がしたくないと感じたらする必要はないこと
- 相手がされて嫌だと感じていることは絶対にしないこと
- 身体にある「穴」には何も突っ込んだりしないこと(口、耳、鼻、ヴァギナ、ペニス、お尻の穴)
- お互いを傷つけるような行為はしないこと

子どもたちがお互いの身体に触れたりする様子を見ると、その幼さ故にはっとしてしまう大人がいるかもしれません。ただ、発達段階として相手の身体に興味を持つことは自然なことであり、それを止める必要はないと教えてくれます。
しかし、誰かの身体に触れるという行為は自分だけの判断でなされるものではないことを子どもと確認し、相手を傷つけないために自分ができる行動とは何かを確認しておく必要があると書かれています。

質問②:4歳の娘が子どもはどこからやってくるのかを知りたがっています。彼女に何を伝えれば良いのでしょうか?

お子さんにはこんな風に伝えてみると良いかもしれません。

「パパの中にある1つの種がママの卵とくっつくのよ。そしてその後、それがママのお腹の中で赤ちゃんへと成長する。赤ちゃんがお腹から出てきても大丈夫なくらいの大きさになったら、赤ちゃんはママのヴァギナから生まれてくるのよ」

子どもがもっと詳しく知りたがっているのであれば、詳細を教えることも構いません。そういった時は、絵本などを通して伝えることもいいでしょう。

性の営みについてどこまで子どもに伝えるかは、家庭によってさまざまかもしれません。しかし、ここでは子どもが知りたいという好奇心や欲求を示した時は、出来るだけそれに応えてあげても良いと書かれています。その助けとして、絵本を活用し、子どもが理解しやすいように伝えることも保護者としての役割とも言えます。

次は6歳-9歳の「性に対する好奇心」について

次の記事では「6歳-9歳の性に関する性に対する好奇心について」をご紹介します!

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