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「教師の仕事」を書き出したら目眩がした

7/31(金)と8/2(日)に開催される、フィンランドで働く高校教師のヘリさんとの対談のために、日本の教師の仕事内容を整理しています。

学校教育法や、教育基本法を見直す作業もしています。

私の知る、大勢の教師が病気休暇を取得している理由。
そのうちの何名かが自ら命を絶ってしまった原因の一端はどこにあったのか。

教育現場が人を殺していく。
それは大人も、子どもも、なのです。

私が日本を出て教育を見つめ直したいと思った本質はそこにありました。

そんな答えは簡単には見つからないとはわかっていても、
私はスーパーヒーローにはなれないとしても、
その答えに近づくための新しい視点が欲しい。

そう思ってたどり着いたのがオランダでした。

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「高校教師」という私が約7年間携わってきた仕事は、

初対面の人に職業を聞かれ、
「学校教員です」と答えれば、
「大変なお仕事でしょう」と返ってくる確率の高い職業でした。

しかし、不思議なのは、
ほとんどの人々が教育を受け、
学校という場所のイメージは持っているはずなのに、

「学校の先生はどうしてそんなに忙しいのだろう」

という問いへの答えを持ち合わせている人がそんなに多くない。ということです。

それは何故なのか。
そんな風に考えながら始めた作業でした。

「教師の仕事」を書き出しながら思ったのは、その複雑性。

その1つを例に取ると、
1人の教員は複数の部署の仕事に足を突っ込んでいる状態だということです。

「二足の草鞋」とよく言いますが、教師の仕事は二足どころでは足りません。
まったく種類の違う部署の仕事に何本もの足を突っ込んでいる状態なのです。

例えば、私が担任をしていた時だと、
担任業務(朝礼/終礼の連絡、配布物の配布/回収、生徒対応、保護者対応 など)
教科担当としての仕事(250人〜300人の授業、提出物の点検、成績処理、考査作成、考査採点 など)
生活指導の仕事(遠足企画、体育大会、文化祭、生徒指導 など)
総合担当(LHRの企画、リクルート担当者と打ち合わせ、総合の時間の企画 など)
部活動(運動部/文化部の練習計画、週末の試合引率 など)
教科会(英検の申し込み担当と実施、教科書選定、カリキュラムの見直し など)

がありました。

文字にすればたいしたことがなさそうに見えるのですが、
例えば300人分の提出物の確認は、それだけで1日が潰れてしまうこともある作業です。
高校生なので、ある程度は自主性に預けますが、これが小学生となれば、
文字バランスや、書き順など、確認すべきことは無限にあります。
また、ここに書いているのはほんの一例で、年間を通せばその仕事は無数にあり、教師は年がら年中繁忙期です。

高校は教科担当制のため、授業がない時間に別の仕事ができますが、小学校の先生は一体どうしているのでしょうか。
日本の教育現場では、もはや「残業が前提」で仕事をするしかないのです。

教師は「授業」で力を発揮したいと思っていても、
結局のところ、そこに注げる力は15%〜30%くらいではないでしょうか。

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一般企業で部署が分かれているのは、その部署専属の仕事をするためです。
しかし、学校教員は1人の人間でありながら、

経理部にも、
人事部にも、
営業部にも、
総務部にも、
広報部にも属しながら、

生徒たちにとっての「社長」として働かなければいけません。
(生徒たちの上に立つという意味ではありません)

山積みの業務がある中で、保護者の予定に合わせて20時から保護者面談をする。
教師の仕事は「サービス」だと捉えている人々が多いのも事実です。

私はそういった「教師の時間外勤務」を「金八先生化」と呼んでいました。
金八先生化を「教師の鏡」だと呼ぶ風潮は、まだまだ日本に色濃くあります。
そして、勤務時間外の保護者面談を拒否する教師を、
「冷たい先生だ」
と呼ぶ保護者が大勢いることも事実です。

そんなことを色々考えながら、同時にフィンランドの高校教師はどんな風に働いているのだろう。と思います。
もちろん会議はあると聞いていますし、決して暇ではない、と打ち合わせの時に聞きましたが、きっと業務量が圧倒的に少ないと思うのです。

では、日本の教育はその「多すぎる業務」を簡素化できないのでしょうか。

「これはいらない」
と、仕事を切ることができないのでしょうか。

エクセルに書き出した「高校教師の仕事」は圧倒的なデータ量となりました。
私が覚えている限りでこんなにたくさんあるのに、
一体思い浮かんでいない仕事はどれだけたくさんあるのか...

打ち込みながら目眩がしたのですが、
何事も最初にきちんと洗い出すことでその先の何かが見えてくるはず!
そう信じて、作業を進めています。

「教育にとってのより良いアンサー」を見つけるため、
ヘリさんとの対談が実りあるものになるため、
この作業をきちんと進めていきたいと思う所存です!

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<オンラインイベントのご紹介>
フィンランドと日本の高校教諭が語る”先生の仕事ってなんだろう?”

https://peatix.com/event/1564349

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