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医師、歯科医師の勧め11

今回は、私が勤務歯科医の頃に経験したちょっと診断に困った症例をご紹介しよう。

当時診察させて頂いた方は、同じく中年女性の方で、歯が動く、歯茎が燃える様に熱いとの事だった。

それも、前日勤務先の院長に入れて貰ったセラミックのブリッジの辺りだと言う。

腑が悪い事に、前日から院長は学会で不在。
私は、取り敢えず様子を見ましょうと頓服を投薬した。

翌日も来られ、歯茎が燃えるように熱く、ブリッジが横に拡げられるようで、痛くて寝れないと言う。

その翌日にも来られ、痛くてたまらない、院長が帰る迄の1週間、様子見るよう伝えたが、待てない外して欲しいと言う。

院長と相談して、3日後に外しセラミックの代金数十万をお返しした。

ところがである。
翌日も来られ全く症状が変わらないと言う。

こう言う症状の時、先ず疑われるのが、仮面鬱病と言う疾患だ。

仮面鬱病の厄介な所は、全く鬱病っぽくない所だ。

この病気は、セルシンやホリゾンといったマイナートランキライザーに反応し、症状が改善する。

しかし、最近は医者から貰った薬の分かる本などで調べて、私は気狂いじゃない、歯の病気に違いないのに私を気狂い呼ばわりするのか、と立腹され薬を飲もうとしない。

その後、旦那さんも同伴で来られ、裁判も辞さない勢いだった。

最後は、余程しんどかったのか紹介した大学病院の診療内科へ受診され、仮面鬱病の診断のもと、薬てわ無事症状が改善した。

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