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[WS TIPS] 誰のために、何のために - 生まれる場の質の半分は、"作り始める"前に決まる。

どうしてワークショップをやるのか?
それが明確でないならば、わざわざワークショップをやる必要はないと思う。計画の一番最初の段階で、「ワークショップの目的」を考え、納得し、関わる全ての人で、共有する。生まれる場の質の半分は、"作り始める"前に決まる、と考えている。

著書「ともにつくるDIYワークショップ」の中でも、このことについて詳しく触れている。

依頼主と参加者が、なぜそれをつくりたいのか? 製作物は、誰のために、何のために使われるものなのか? など目的を共有することが大切。製作物ができる前と後で、依頼者の暮らしがどんな風に変わるのかを語ってもらおう。そうすることで、参加者の目的意識が「ただつくる」ことではなく、「誰かのために、一緒につくる」ことに変わるのだ。
(ともにつくるDIYワークショップ リノベーション空間と8つのメソッド p.37 ユウブックス出版)


誰のため、何のために作ろうとしているのか、そしてなぜ、ワークショップという方法でやろうとしているのか。大きな目的意識は、主催者と参加者の垣根を越えた共通の目標になる。greenz.jpのインタビューの後半でも、桃子がこのことについて触れている。  https://greenz.jp/2018/08/06/tsumiki_tomonitsukuru/


(河野桃子)
「誰がどう使うんだろう、何のために使われるんだろう、どういう生活のシーンで役立つんだろう」。そうしたことをつくる人みんなで共有することによって、その場にいる人が同じ方向を向いて作業をスタートすることができます。それは、利用者がつくったものをそのあと大事にしていくことにもつながっていくんですよね。

DIYは楽しい。みんなで作るともっと楽しい。だから、作る楽しさ自体に意識が集中してしまう。作って楽しいだけの場なら、案外簡単に作れてしまうのかもしれないし、ワークショップでなくたっていいのかもしれない。

ワークショップという場をせっかくつくるなら、深い学び、つながりを生む、安全な場を、常に目指したい。つくる時間と同じくらい大切なのは、つくり始める「前」の時間だ。

「誰のために、何のために」
考え、納得し、関わる全ての人で、共有するところから、ワークショップの計画は始まる。

(おわり)
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