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「unharvested」

『나를 흔든 시 한 줄』

神保町のチェッコリで店長をしていた時代に買った『나를 흔든 시 한 줄』(わたしが心を揺さぶられた詩の一節、という意味)という本を久しぶりにソルレムの本棚から家に持ち帰ってきて読みはじめた。韓国の著名人たちが自分が好きな詩の一節を紹介している本で、当時もところどころ読んだはずだけれどほとんど記憶がない。

今日の東京は雨でしっとりしていて詩の気分だったので、この本のいちばんはじめに紹介されている「안 거둬들인」というロバート・フロストの詩の一部を声に出して読んだりノートに書き写したりしてみた。英語で書かれた元の詩が気になったので検索してみたら、この詩の原題は「unharvested」で、元の詩もとてもよかった。韓国語訳はネット上に何通りか出ていたけど、日本語訳は見つからず。本で探してみるかな。

무언가는 거둬들이지 않은 채 늘 남겨두기를!
May something go always unharvested!
많은 것들이 우리의 정해진 계획 바깥에 남아 있기를,
May much stay out of our stated plan,
사과이건 무엇이건 잊혀진 채로 버려두어,
Apples or something forgotten and left,
그 향내 맡는 일이 죄가 되지 않도록.
So smelling their sweetness would be no theft.

収穫されずに残るものがあってほしい、忘れられ置き去りにされるもの、決められた計画からこぼれおちるものがあってほしいという詩なのだけど、最後の「その香りを嗅ぐことが罪にならないように」という韓国語訳がなんともお見事だと思った。「泥棒」とか「盗み」ではなく「罪」。

なんだかこの詩、とても気に入ってしまった。

それから、この本の挿絵を描いている노석미さんは『냐옹이』(ニャオンイ)という絵本の作者さんで、色づかいやゆったりとした線がとても魅力的。好き。

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