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HSPに関するボランティア活動を止めることにしました

メッセージを書き残しておくために、久々にnoteを更新したいと思います。

約2年半、HSP気質の方向けの交流会情報を流すためのTwitterアカウントを運用していました。

このアカウントができた頃から活動停止に至るまでの思いをここに残しておくので、読んでいただければ幸いです。

活動を始めたきっかけ

私はかつて武蔵野市(東京都内、吉祥寺がある街です)で、地域の「居場所」になるような場を集めた「居場所マップ」の作成にボランティアとして関わっていました。

その後「HSP」という気質の存在を知り、「自分が確かに感じているのにどう説明したらいいのか分からなかった感覚」を客観的に理解でき納得できた後、他のHSPの人ってどんな感じなんだろう?会ってみたい!という好奇心で交流会などに参加し始めたのが2017年頃でした。

どんな人がどんな所で開催しているのか、ネット検索を駆使して大体把握できた私は、次はここへ行ってみよう、その次は別の所へ行ってみようと、比較的余裕がある時に顔を出していきました。
(あちこち参加しましたが、結果的にほぼどの場も1回限りの参加となってしまいました)

そんな中、とある交流会で私が「他の交流会にも参加したことがありますよ」と話したところ、別の参加者の方から「他にもあるんですか?私は検索してこの場を見つけたんですが、他にもあるなんて知りませんでした」と言われ、「検索を駆使して情報を集められる人ばかりではないのなら、居場所マップのようなものがあれば誰かの役に立つかもしれない」と思ったのが、この活動を始めるきっかけでした。

アカウントができるまで

当初はWebサイトを作る予定でした。

幸い私はWordpressがまあまあ理解でき、レンタルサーバーも契約しており、自分の所属団体のWebサイトくらいなら一人で作れるので技術的には問題がなかったのですが、忙しい中での更新作業の負担のほか、

「面倒な問い合わせがあったらどうやって対応しよう」
「勝手に載せて怒られたら怖いからちゃんと事前に許可を取らないと、でも『こいつ誰だよ』って警戒されたりしないかな」

と、自分で何か作ってみたい!という思いと、でももし何かあったらどうしようなどと先々のことを悶々と数ヶ月悩んだ後、Twitterのリツイートくらいなら大丈夫だろうと思い、見る人の負担(私の個人アカウントではHSP関係ないツイートばかりしているので…)を考えて個人アカウントと分離したアカウントを作成しました。

たくさんの出会い

本当に色んな方と出会えました。
特に交流会の主催をしていたりなどの何らかの活動をしている方は皆さんそれぞれ面白い方で、そんな人に会いに行くのが楽しみでもありました。

また、オンライン上でもたくさんの出会いがあり、たまたま実際に会える機会もありました。
今でもずっと続いている縁がたくさんあるのは嬉しいことだと思っています。

私が伝えたかった部分に気づいて汲み取ってくれる人たちに出会えて、私も嬉しかったです。

ちなみに一応書いておきますが、この活動は無償ボランティアなのでどこかからお金をいただいて広報に協力したことは一度もありません。
交流会に参加する時も、普通に皆さんと同じ参加費を払っています。

見えてきた問題点と苦悩

だんだんHSPという言葉の知名度が上がるにつれ、交流会の場も増えていきました。

ただ、中には「HSPについてよく分からないけど開催してみました」という所もあり、何かおかしいな…と感じ始めました。
それでも、そんな場の存在が誰かの助けになっているかもしれないし、私がジャッジするものではないと考えました…が、どんどん様子が変わっていきました。

勉強会に見せかけた怪しいセミナーや、他者を明らかにバカにしているHSPブロガーの存在など、初めて見た時は心臓が止まりそうなほど驚いたり、ディスプレイの前で泣きながらブチ切れていたこともあります。
一体どうしてこんな酷いことができるのか、人をなんだと思っているのか、と。
どこからどう見ても酷い場面を目にすることが増え、「ああ、HSPって自称だもんな、その人がHSP(と呼ばれている人)かどうかはまた別の話なのか…」と思い至りました。

そして、いつの間にか話題が「生きづらさ」ばかりになり、「感受性」についての話題が減っていき、次はどこに顔を出そうか誰に会いに行こうかとワクワクする感覚が徐々に消えていくのを感じました。

私は日頃の地域活動を通じて感受性豊かな人たちに出会えており、日常がHSP交流会状態なので特に不便はないのですが、場を必要としている人はたくさんいるだろう、窓口になったり仲介をする人間が必要だろうと思い、もやもやを抱えながらも細々と一人で活動を続けました。

葛藤

もともと一人でちょこちょこ検索しながらリツイートするだけだったんですが、色々見聞きしているとそれだけでは駄目だと思えました。

交流会でのトラブルについて知らせる人間が必要で、悩んでいる主催者や参加者の方が話す相手が必要で、そうやってたくさんのことを知っていくと、「把握できている私がどうにかしなきゃ、自分にできることをやらなきゃ」と感じ、たまに自分でも発信するようになりました。

でも、「私が情報を拡散したせいで交流会に変な人を呼び込んでいないだろうか、かえってご迷惑になっていないだろうか」とも思い始めました。

また、「この人は私のことを一体なんだと思っているんだろう…」と感じる場面もありました。

「もうやめようかな」ともよく思いましたが、私に温かい声をかけてくださる方々がいて、「この人たちの役に立てると私も嬉しい」と思えたから、細々と今まで続けることができました。

ただ、精神的負担はかなり大きかったです。

一見リツイートを押すだけの作業なんですが、実は詳細が載っているリンク先ページのチェック等のほか、主催者の方のプロフィールやツイート、ブログや他SNSアカウントがある場合はそれらも目を通して、「紹介しても大丈夫そうかどうか」を一通り確認したうえでのリツイートだったのです。
私のせいで誰かが変なトラブルに巻き込まれるのは嫌だったので、私の主観で「なんか怪しいな、なんか不安だな」と思った場合は触らないようにしていました。
このことを公言してしまうと支障がありそうなので黙っていましたが、この際白状します…。

また、検索中に色々な情報がどうしても目に入ってしまい、内容を読んでかなり辛くなることも多々ありました。

無償ボランティアとして活動するのがいちばん気楽で、誰かやどこかに縛られずにいられると思って始めましたが、それでも時間をある程度割くことになりますし、感情面での負担はかなり大きくなりました。

変わってしまったもの、失われてしまったもの

とある交流会で、私は自分が撮影した写真を見せる機会がありました。

私はずっと「写真撮るのが上手だね」と言われることにうっすら違和感を持っていて、もちろん技術を褒めてもらえるのは嬉しいことではあるんですが、私は「その瞬間、私が美しいと感じたものを形に残したい、誰かに見せたい」と思ったからシャッターを押していたので、それを「技術」の話にされるのがどこか悲しかったんです。

そんな話を当時友人に話しても通じなくて、「今、撮らなきゃ」という衝動と、それだけ揺さぶられるものに出会えた喜びを理解してもらえない寂しさがありましたが、写真を見た方が理解して汲み取ってくれました。
私が交流会に求めていたのは、こんなやり取りだったんだと思いました。

でも今、こんなやり取りができる場は、どれくらい残っているだろう。

悲しんでいる人を見ると自分も悲しいから、少しでも気が楽になるように何かしたいし、怒っている人を見たらその怒りの背後に隠れている本当の思いが気になるし、周りの人たちが嬉しそうだと自分もなんだか嬉しくなってしまうこの感受性が脆弱性になってしまう社会では居場所がなくてとても生きづらくて、この感受性を理解してもらえるつながりをずっと探していて、だからこの感受性をプラスにできるということ、こんな自分だからこそできることがあると知れたことは大きな希望だったのですが、
今、私の伝えたいことを受け取ってくれる人はどれくらい残っているだろう。

私の力ではどうにもできず、変わってしまった現状を見るのが悲しかったです。

そしてふと「HSPという言葉はもう私たちのものではなくなってしまったのだな」と感じてしまいました。
もう私にはやれることがない、きっとこれが潮時だ、と。
だいぶ前から「休め」「何よりも自分を大事にして」と散々たくさんの人たちから言われていた私なので、これもいいタイミングなんだと思っています。

残っているもの、残したいもの、伝えたいこと

アカウントの更新は止めますが、アカウント自体は残したいと思っています。(2021年1月現在)

窓口がなくなると困る人もいるかもしれないし、それに、私がどんな思いでこのアカウントでの活動を続けていたか残しておきたくて。
返信やDMなどがあれば見る予定です、あくまで予定、ですが…。

交流会の開催情報自体は、「HSP 交流会」などの適当なキーワードで検索すれば見つかります。
身近なエリアで探したい場合は、地名を検索ワードに追加すれば見つけやすくなります。
ただし、よく見極めてくださいね。

でも、別に「交流会」だけが交流できる場ではないんですよ。

HSPという言葉を知っている人に出会いたいわけではなく、HSPに該当しそうな人に出会いたいというのが本質だと思うので、無理にHSPというキーワードがなくてもきっと探せるはずだと思います。

私は自分の暮らす地域(武蔵野市含めた都内)で、「暮らしているまちをもっと楽しいまちにしたい、住んでいて良かったと思えるまちにしたい」という思いを持って仕事(いわゆるコミュニティビジネスソーシャルビジネスなど言い方は色々ありますが)を創る人たちや、プロボノ活動、ボランティア活動に取り組んでいるたくさんの人たちと出会えました。
また、社会課題を解決しようとNPOなどの団体を立ち上げた人たちにも出会えました。
みんな「誰かのためにできることをしたい、自分たちで何か作っていきたい、そしてそれが楽しい」と思えている人たちで、私は皆さんから力をもらいましたし、だからこそ皆さんの力になれたら嬉しいと思っています。

深い話もできて、似たような感受性を持ってそうな人も見つけることができる場を見つけるのに、必ずしもHSPという言葉が必要なわけではないようですよ。
多分、自分が行ってみたいと感じた場所や、会いたいと思った人、やってみたいと思ったことが入り口になるはずです。

そして、私は交流会を主催していない…というのは一部間違いで、実は個別に声をかけて一対一でお話ししていることが結構ありました。

私は昔からカウンセラー代わりにされて寄りかかられることがあったので、私が主催するのは危険だと思ったのと、私がしたい話ができないような気がしたからです。

本当は「もし私と喋りたい方がいればぜひ声かけてくださいね」と言いたかったけれど、それでどんな人が来るのかとても不安で、自分から声をかけに行った方が気楽でした。

今はこんな状況なので、気軽に会いに行ったり会いに来てもらうのも難しいですが、もしも私のメッセージが届いていたら、そのうえで私と喋ってみたいという方がいらっしゃれば、一言言っていただければ嬉しいです。
会えるかどうかはちょっとなんとも言えませんが、いつか機会があれば。


さて、これまで次のステップに進む人たちを見送ってきましたが、そろそろ私も次の場所に行こうかと思います。

皆さんにもよい場が見つかることを願っています。

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