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ファッションとの距離感【2】

ミーハーのもつ可能性

今日は今、気になりまくっている人、小木“POGGY”基史さんの記事を読み漁った。

ユナイテッドアローズは親のようにリスペクトしています。しかし、親ゆえに、おんなじ格好はしたくなかった。なので出した答がヒップホップから派生したトラッドを着崩すスタイルでした。ファレル・ウィリアムスやアウトキャスト、カニエ・ウェストなど、21世紀を目前に控えたニューヨークにあらわれた彼らのスタイルは衝撃のひと言でした。

長く勤めておられたユナイテッドアローズへの独立心とも反骨心ともいえるパンクな精神でひねり出したのがヒップホップから派生した着崩しスタイルというのが面白い。

スーツスタイルのトラディショナルに対するニューノーマルを日本でいち早く自分のものにした小木さん。

もちろん、買い付けの為、仕事でということはあろうが、積極的に一時情報に触れるため世界中を飛び回っていたのだと思う。

そんな中でされた経験は驚くようなものばかりだ。

POGGY: カニエ(・ウェスト)とヴァージル(・アブロー)も日本に来たら必ず寄ってくれました。
祐真: 面白そう。買い物してた?
POGGY: カニエに関しては買い物もしてくれたのですが、お店の中央にテーブルがあったじゃないですか、入ってくるなりそこでチキンサラダを食べ始めたんです(笑)。

この数年でファッション業界に波を起こしているキーマンのほとんどと繋がっているんじゃないだろうか。

ヴァージル・アブロー、サミュエル・ロス、ジェリー・ロレンゾ、ヘロン・プレストン、ドンC、マシュー・ウィリアムス…

祐真: 小木君は、世界中が騒いでいるこの状況や、その人気の理由をどのように見ているんですか?
POGGY: 誤解を恐れずに言うと、どことなくアイドル商売に近い感じがしますね。デザイナー自身がアイドルになって服を売っていくというような。
祐真: カニエが全てを操るボスですか。面白いよね。小木君は彼らのことを“カニエシックス”って言ってたじゃない?
POGGY: はい、アントワープシックスにかけて(笑)。【中略】カニエがはメンターとして強力にバックアップしているんです。

ヴァージルとの交流は2009年頃から続いているようだ。

小木:僕がディレクターを務めていたメンズセレクトショップ「リカーウーマン&ティアーズ」によく来てくれていて、それから交流があります。今でもヴァージルがインタビューで「あのお店が一番好きだ」みたいなことを言ってくれていて、本当に嬉しいです。

ヴァージル本人が"My favorite store is closed now. “Liquor woman & tears” was the favorite store of mine."と答えているインタビューが実際にあった。




これまでのデザイナーとの違いを最も的確に言語化できるのも近くで彼らを見てきたことと、小木さん自身も彼らと同じカルチャーに触れてきたからなのかもしれない。

小木:それまでのデザイナーの服の作り方は、例えばアートだったり道端に咲いている花とかから影響を受けて、デザイン画を書いて作っていくというものだったと思うんですが、ジョニオさん(アンダーカバー デザイナー 高橋盾)、そして宮下さん(現 タカヒロミヤシタザソロイスト. デザイナー 宮下貴裕)は好きなミュージシャンが着ていた古着を元ネタにして再構築した上にグラフィックをのせてといったような、トラックにサンプリングをのせるヒップホップの音楽の作り方みたいで、従来からある服作りを音楽的に変えたパイオニアだと思うんですよ。今第一線で活躍しているデザイナーは、音楽的な作り方をする人が多いですし。アンダーカバーの当時の服は今見てもデザインが凝っていて、本当に素晴らしいなと思います。



僕がラグジュアリーストリートなんて言葉に馴染めるようになったのはMASTERMIND JAPANの影響が大きい。

でも、世間がそれを認めたのはルイ・ヴィトンでデザイナーを務めたマーク・ジェイコブス氏、そしてキム・ジョーンズ氏の功績なのだろう。


小木:キム・ジョーンズ(Kim Jones)は、藤原ヒロシさんやショーン・ステューシーに影響を受けていて、ディオールでも自分の文脈を大切にしているのが伝わってきます。デザイナーが自分の好きなことだけに没頭することは大事なことですが、売れなければエゴになってしまう。その点キム・ジョーンズはセールスで結果を残しながら、ぶれずに自分らしさを表現しているのですごいなと思います。「ビックメゾンがやることではない」など賛否両論あると思いますが、今の時代は自分の好きなもので表現できる人が何よりも評価されると思うので。

彼がショップや展示会などで交流をもったカニエチルドレンと言えばいいのか、カニエ・ウエスト氏と仕事をし、それぞれが活躍しているクリエイター達について語っているのが面白い。


祐真: 小木君は、世界中が騒いでいるこの状況や、その人気の理由をどのように見ているんですか?
POGGY: 誤解を恐れずに言うと、どことなくアイドル商売に近い感じがしますね。デザイナー自身がアイドルになって服を売っていくというような。
祐真: カニエが全てを操るボスですか。面白いよね。小木君は彼らのことを“カニエシックス”って言ってたじゃない?
POGGY: はい、アントワープシックスにかけて(笑)。ヴァージル、サミュエル・ロス、ジェリー・ロレンゾ、ヘロン・プレストン、ドンC、マシュー・ウィリアムスがいて、カニエがはメンターとして強力にバックアップしているんです。

どことなく、カニエ・ウエストという人を非常識人だと思っている。

アメリカ大統領選挙に立候補すると言い出したりもするし、お騒がせ有名人という世間への印象も強いだろう。

その一方でビジネスセンスが卓越していてセールス面で結果を出しているからこそファッション業界でも存在感を示し、尊敬を集めている。

僕は彼のフォロワーをミーハーだと思っている。

ミーハーとは流行という激しい変化の波に巻き込まれたり、乗りこなしたり、どちらにしても変化を楽しんでいる人たちだ。

適者生存という進化論のロジックがファッションにおいても正しいのならミーハーこそ強者と言えそうだ。

僕は自分がミーハーだと自称するのも、カテゴライズされるのもなんだか恥ずかしいが開き直ってしまう方が窮屈さを感じずにファッションを楽しめるのかもしれない。

ファッションに関するコラムが好きな人にすすめたいし、また読んでるなら感想など話たいのがこちらのサイト。

コロナが落ち着いたら聴きに行く。

こんなところが僕の中にあるミーハーさかも。




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