見出し画像

空気が読める

今は細胞分裂の研究をしているお客さま。
聴けば聴くほど、細胞分裂は本当に神秘な営みです。それが日夜、私たちのカラダの中で極々自然に営まれているのですから、本当にすごいです。

私たちのカラダを構成している細胞は“真核細胞”といって、身体を構成する細胞の中に細胞核と呼ばれる細胞小器官を持っています。その細胞核は必要な物質のみ透過する穴の開いた二重の膜で覆われていて、核液と遺伝情報を保持する DNA を含んでいます。この真核細胞の分裂は、そのメカニズムを聞いているだけでも神秘の世界です。

DNAは細胞分裂に先立って、寄り集められて染色体になり、新しい2つの細胞のために分かれて運ばれ、2つの細胞それぞれでまた核に収められるのですが。
分裂した細胞が、それぞれに機能の違う細胞になることができる、というところが本当に驚きです。

そもそも、1個の受精卵からどんどん分裂して多数の細胞に分かれていくのですが、その過程で皮膚や骨、心臓とそれぞれの機能に分かれていく。
と言葉で書けば単純ですが、どうやって同じDNAを分かち合って分裂した細胞が分裂後にそれぞれ違う機能の細胞にわかれるのか?本当に不思議です。

この機能の違う細胞に分裂するというのは、カラダの中で極々日常でも起きていることだ、とお客さまが例を示して教えてくれました。

たとえば、指に裂傷を負ったとき。
皮膚になる準備をしている細胞が、傷ができたことを察知して、傷を補正するように細胞分裂を始めます。そのときに、表皮になるもの、真皮になるものと、それこそ細胞が「周りの空気を読みながら」必要なカタチに細胞分裂をしていくのだそうです。そして当然のことながら、傷が完全に塞がったら、この細胞分裂は収束します。

と、このように、細胞は周りの空気を読んで、必要な時に必要なカタチに分裂するのだそうです。
それにしても。
傷ができた、傷が塞がった、なんて、分裂する細胞はどうやって察知するのでしょう?本当に不思議です。


この観点から言うと、ガン細胞は“空気が読めない細胞”なのだそうです。
周りの状況関係なく、ただひたすらに自分自身の分裂を繰り返し、その分裂をやめない、それがガン細胞なのだそうです。

我がカラダのことながら、勉強になります!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?