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誰も知らない素顔の

毎回旅先で出会った「マドンナ」に惚れつつも失恋するか身を引くかで成就しない。日本各地の美しい風景を背景に、シリーズ作品としてお正月映画が作られ、お正月の顔として、日本はおろか海外にも熱烈なファンを持つ、テキ屋稼業を生業とし、何かの拍子に故郷に戻ってきては、何かと大騒動を起こす人情喜劇の主人公のお方。

この方のお写真も「昭和の風貌展」に、フリーランス写真家のお客さまの撮られた一枚が展示されていました。

このお方。
役柄のイメージを壊わさないために、亡くなるまでプライベートを芸能活動の仕事に一切持ち込まなかったことで有名な方です。

ですが、フリーランス写真家のお客さまが撮られた一枚には、
上半身は肌着姿、髪も調えておらず、側にはドライヤーが無造作に置いてある・・・
といった、すごくプライベートな状態が収められていました。

この方のエピソードを知っていれば、実に珍しい一枚。

実は、この役者さんがまだ有名でない頃、フリーランス写真家のお客さまとは、とある下町の飲み屋さんでよく会っていたのだそうです。
何度か顔を合わせるうちに、お客様が同じ写真科の学生仲間と飲んでいるのを見掛けては、
 「よぉ~、学生さん、しっかり勉強しとるかね」
と気さくに声をかけてきてくださるような間柄になっていたそうです。

きっとそんなお話もされたのではないでしょうか?
そこには、役者、ではないその方が写っているように感じます。

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