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Vol_14:欠かせぬ人々を癒す

『 How are you ?』と訊かれたら

『 I'm fine, thank you 』と返すのだと教わったのは、中学1年の時である。

しかし現在、
I'm fine, thank you(おかげ様で元気です)と、
口にするものの、何となく心が晴れないのは、
戦争一色となっている世界中の ”くもり“ が拭えないためでしょうか。

人類がウィルスを克服する前に、
ロシアのウクライナ侵攻が続く。

すでに避難民100万人超が欧州へ押し寄せている段階で、
わが国も避難民の受け入れを表明した。

しかし、
「どこの課で取りまとめるかを決めた上で改めて発表したい」という言葉はどこか遠い国の ”おとぎ話“ のようだ。


実際、避難民の受入れ表明をしてから、一週間で受入れた人数は8名。

まさに、国全体が ”おとぎの国“ になったのだろう。

とまぁ、僕はおとぎ話やフワフワしたものが大嫌いで
SF映画はもちろん、小説なども全く読まない。

ただ人生で2冊だけ読んだ小説がある。
「ハリーポッター」「鉄道員(ぽっぽや)」

小学生の時、あまりに落ち着きがない子だったため
担任の先生が「処方箋」としてハリーポッターを精読しろと指示してきたのがきっかけだ。

もちろん、
9割を飛ばして読んだため覚えておらず、
ハリーポッターのあらすじは未だに分からない。
世界的なヒット作も山本少年には通用しない。


一方、鉄道員(ぽっぽや)は何かの拍子に読んでみた。
きっと病んでいたのだと思う。

しかし、
見事な描写とストーリーに魅せられ、あっという間に読み終えた。

混沌(カオス)とする世の中で、
皆さんも是非「鉄道員(ぽっぽや)」を読んで欲しい。笑

鉄道員(ぽっぽや)は正月を迎えた終着駅を舞台に、
仕事一筋だった鉄道員の人生を描いた名作。

高倉健が主演で映画化された事でも有名で見た方も多いのではないでしょうか?


高倉さん演じる佐藤乙松は、
生後間もない一人娘と妻に先立たれるが、
いずれの死に目にも会えず、それは、寂れた小さな駅の駅長として、業務を優先した結果だった。


交代要員がいないという事情もあったが、
鉄道の運行を守る使命感が、自身が職場からの離脱する事を許さなかった。


僕はこのストーリーを読みながら、すこし胸が苦しくなった。

家族や命より大切なモノなどない、
と分かっているものの実際に最優先で行動できている人はこの国にどれほどいるのだろうか。。。


コロナ禍で周知された言葉の一つに
「エッセンシャルワーカー」がある。

エッセンシャル=不可欠なという意味だ。


医療従事者や介護職をはじめ、
公共交通や物流など社会生活の維持に欠かせない職業の人々を指すもの。


この方たちも同様、乙松ほどではないにせよ、
社会的使命を果たすために私生活を犠牲にする場面があるはず。


冒頭でも触れたように、
世界では未だに新型ウィルスが猛威を振るい、
ウクライナ情勢は混沌を極めている。


皮肉にも「何にもない日常」のありがたみは、
コロナや戦争によって全人類が痛感しました。

ただ、その「何にもない日常」を
陰で支えるエッセンシャルワーカーがいるという事を知っている人はとても少なく、当たり前に感謝できていないものです。



ちなみに、作中で乙松は、成長した姿でこの世に現れた娘によって魂を救われることとなります。


2022年、コロナと戦争の終息が見えない現在。
現実世界では「ありがとう」の一言が〝欠かせぬ人々〟を癒やすことだと思います。


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