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上杉 惠理子 著「教養としての着物」

3刷13000部のベストセラー・上杉 惠理子さんの「教養としての着物」。
上杉さんは出版スクールで2年間ともにコーチを務めてきた戦友でもあるが、そういう贔屓目抜きにしても素晴らしい本だと思う。

推薦帯は星野佳路氏

ジャンルとしてはビジネス書になるが、サクッと蘊蓄やノウハウを取るだけの本ではなく、読んでいるだけで心が洗われ満たされていくような本だ。

もともとの上杉さんの文才もあると思うが、加えて着物という文化を心から愛し深く探究しているとこれほど美しく味わいのある文章が書けるのかと感動する。
私はこの本ですっかり上杉さんの文章のファンになり、メルマガも読んでいる。

個人的に好きだったのが、「桜柄の着物は、桜が満開になったら着てはいけない」という考え方。桜が咲くのを心待ちにする気持ちを着物で表現しながら、満開になれば着物は本物には敵わないという、自然に対する愛と尊敬が現れたものだそう。

本書を読む前は「着物はお金持ちマダムの嗜み」のようなイメージしか持っていなかったが、知的で芸術的で、文学的でもあり、日本人としてのアイデンティティを思い出させてくれる象徴なのだと感じた。


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