社会科は何のために学ぶのか?②
①に続く、記事です。
この記事では、社会科を学ぶ意味について、社会科の目標をどうとらえているか実践家や研究者の方の意見などの紹介と、私なりの現在での考えについてまとめています。
(指導要領などの理論を知りたい場合は、「社会科は何のために学ぶのか①」をお読みください。)
1、実践家や研究者の考え
1、有田和正
実践家らしい、有田先生の考えです。
有田先生は「追究の鬼」を育てるということで、子供の「?」が生まれるような教材開発をしていました。また、以下のようにも話をしています。
これらの考えから、有田先生は、社会科では将来社会の一員として問題を見つけ、解決していけるような力の形成を目指していることが分かります。
2、北俊夫
次に、元教科調査官である北先生の考えです。
北先生は、「知識の構造図」といついて書かれており、社会科ではきちんとした知識を身に付けさせる必要があると提唱されています。
そんな北先生の社会科で目指している考えです。
こちらも北先生らしく、3つの資質・能力を身に付けさせることを前提にしたうえで、有田先生同様に最終ゴールをよりよい社会の創り手として、現在の社会を発展させることができる力を身に付けさせたいと考えているのが分かります。
3、渡部竜也
続いて、東京学芸大学の准教授である渡部先生の社会科の目標についての考えです。
大学の先生らしく、少し書いてあることが難しいですが、上2人同様に現代の問題を解決していくことができるような力を育てていきたいと考えているのが分かります。
2、社会科は何のために学ぶのか?(まとめ)
以上の考えなどを踏まえた私なりの考えです。
①問題を見つける力を育てる
まず、身に付けさせたい力は、問題を見つける力だと考えます。
例えば、教室には机があります。
当たり前ですが、公立学校の場合は税金で購入しています。
しかし、子供に「誰がこの机買っている?」と思うと聞くと「教師」とか、「親」(間接的にはあっていますが。)といった意見が出てきます。
このようなことは、周りにもいくつもあります。
そんなことに疑問をもつこと、問題を見つける力を高めていけるようにしていくことが一つ目です。
つまり、見えるものから見えない事象に気付く力です。
このような力は、社会人になっても必要だと考えています。
②問題を解決する力を身に付ける
二つ目が、問題を解決する能力です。
これは、他の教科とも同じですが、論理的思考力とも言えます。
算数の場合は、数字を使って解決します。理科の場合は、観察や実験で解決します。
社会科の場合は、歴史・地理・公民的な考え、小学校で言えば、
時間・空間・相互関係的な視点で解決をしていきます。
例えば、ある商品の売り上げが下がっているとします。
そんなときに原因や解決策でこんなことを考えるはずです。
「前と比べてどうして下がっているのか」(時間)
「違う地域や国に販売すると売れるだろうか」(空間)
「代わりにライバル会社の商品が売れているのか」(相互関係)
このようなことを考え、調査をしたり、解決策を練っていくことになります。
つまり、当たり前のようにしていることに社会科での視点を使っていくことになります。
③社会科の知識を身に付けさせる
最後にある役割は社会科に関する知識を身に付けさせることです。
①②のような力を身に付けるのであれば、他の教科や総合的な学習でも身に付けることができます。
そうであれば、社会科は必要ないことになります。
しかし、そんなことはありません。
今の現代社会で生活するには法律の知識は必要ですし、国際的な交流が必要となっている現代において国や地域への理解も当たり前に必要です。
知らなかったからしょうがない・・・とはなりません。
つまり、①②を支える最低限のルールや知識はやはり身に付ける必要があります。
かつては、この知識に社会科は重点が置かれていたので暗記教科とも思われてしまっていますが、今はそこまでではなく、私個人は最低限で十分だと思っています。(細かな年号を暗記する必要などはないと思っています。)
以上が、現在私が社会科を学ぶ意味だと考えています。
つまり、将来社会で使う問題解決力を身に付けることが1番の目的だと考えています。
ここまで読んでいただいた方の中には、当たり前と思っている方もいることと思います。
また、もっと違う考えがあると思う方もいるかもしれません。
もし、よろしければコメントなどで教えていただければと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。
では、また。
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