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円安のいま、外貨建て保険を解約すべきか?

最近、「外貨建て保険を解約すべきでしょうか?」というご相談が増えています。

そこで、今のタイミングで解約すべきかどうかについて、考えかたのポイントを整理してみたいと思います。

外貨建て保険に加入していなくても、資産運用をするうえで為替かわせの知識は大切ですので、ぜひご一読ください。


外貨建て保険とは?

外貨建て保険とは、米ドルに代表される「外貨」で運用される保険商品のことです。

保険の種類は、終身保険、養老保険、年金保険など様々なものがあり、「日本円と比べて金利が高く、保険料が割安になる傾向がある」などの謳い文句で販売される商品です。


なぜ解約を検討する人が増えているのか?

2022年は円安が進行し続けています。
円安になって外貨建て保険の解約を検討する人が増える理由は、主に次のふたつです。


①円安による為替差益が得られる

自分が保険料を支払ったときより円安になると、為替差益が得られる可能性があります。

通常、外貨建て保険を途中解約すると元本割れする可能性が高いのですが、急激な円安により、途中解約しても利益が得られるケースも発生しているのです。


②積み立て額が高くなる

保険料を積み立て払いしている人は、円安で毎月の支払額が増加する場合があります。

たとえば、保険料が毎月100ドル固定だとすると、1ドル110円であれば支払いは1万1,000円ですが、1ドル140円になると1万4,000円となり、毎月3,000円の負担増となるわけです。


解約するかどうかの判断基準は?

契約している外貨建て保険を解約するべきか否かの判断基準は、2つあります。

ひとつ目は、「その保障が必要か?」を考えることです。

例えば終身保険であれば、遺された家族の生活費保障として活用することが本来の主な目的となります。

預貯金額や、公的年金(遺族年金)の額を考慮して、それでも足らない部分を保険でカバーするということですね。

保障の必要性が低ければ、そもそも終身保険に加入していること自体、目的と手段が合っていないわけです。


ふたつ目は、「資産運用の手段としての有効性」を考えることです。

外貨建て保険に加入する理由の第一位は「預金よりも金利が高いから」だそうです。
つまり、資産を増やすことを目的として加入している人が多いということですね。

しかし、資産を増やすという目的であるなら、つみたてNISAやiDeCoを利用して投資信託を保有したほうが、より有利となる可能性が高いです。

円安の恩恵で外貨建て保険を解約しても元本割れしない(あるいは損失が少ない)場合には、別の運用手段に切り替えるもの手だと思います。

なお、外貨建て保険を解約して一定以上の利益が出た場合は、確定申告による納税が必要となります。
確定申告に不慣れな会社員にとっては、これもハードルとなるんですよね。

その点、投資信託を正しく運用すれば、確定申告等の税金処理を自分でやらなくてよいということも、意外と知られていないメリットです。


今後の円相場はどうなる?

今後の円相場については、いろいろな予測がありますが、何が正しいかは結果を見るまでわかりません。

ただ、過去の事例から学ぶことはできます。

下のグラフは、過去30年の米ドル/日本円の推移です。

参照元:Investing.com

現在の円相場は1ドル140円を超えており、これは1998年以来、24年ぶりの円高水準です。

1998年の円安時には、最安値をつけてからわずか1年4ヵ月後に、1ドル102円まで円高が進行しました。

現在の円安水準が、いつまでも継続する可能性はそれほど高くないかもしれません。


大切なのは要否を判断すること

結局、大切なのは外貨建て保険が必要かどうかを判断することだと思います。

「その保障が必要なのか?」

「資産運用の手段として適切なのか?」

これらを考慮して、必要であれば継続すればよいでしょう。

また、不要だと気づいても、円高時には大きく元本割れするため解約できない人がいることも事実です。

不要だと判断したなら、外貨建て保険を解約するのに有利な円相場となっていることも、また事実だと思います。


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為替とつみたてNISAの関係について解説しています。


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