見出し画像

私というクッションがある中で、夫の育児は始まる 育休夫を持つ妻の日記2

例えば、崖から落ちそうなとき、下にクッションがあるのとないのとでは、体力の限界が違うのではないだろうか?
夫にとって、私はまさにクッションである。

出産に合わせて住んでいた家をリフォームしたが、工事が長引いた為、私の里帰り出産は2ヶ月にも及んでしまった。
そのため、夫婦の間ですでに子育て歴に差がついていた。2ヶ月はデカい。感覚的に小6と中1くらい。いや、新入社員と2年目くらいか?(どっちでもいいわ)

そしてある冬の日、夫婦の子育てがスタートした。
やる気マンマンの夫は、自分で育児ブログまでやりだした。
「子育ては手伝うものではない。俺が育てる」
なんとも頼もしい記事を書いている。(書いてないけど)

その頃の赤ちゃんは、まだ頻繁に夜中起き、おっぱいを飲んでまた寝るという感じ。
一般的に男性は寝かしつけが不得意らしいが、ここは育休1年、やってもらうほかあるまい。
寝かしつけ当番は、月水金が夫、火木土日が私、ということにしてみた。
私が1日多いのは、私が決めたからである。

夫の寝かしつけの日が到来した。

私は複雑な気持ちであった。

正直、里帰り中の2ヶ月の夜中はキツかった。スッキリが始まる頃ようやく寝られた。朝を迎えるとホッとし、夜が来るのが憂鬱だった。
夫にこれが出来るのか?私というクッションがあるのに??
任せるのが可哀想であった。


しかし一方で、これをやらずに「育児」語るべからず、という気持ちもあった。

育休終わり、夫はきっと社内で「育児とは~」とドヤ顔で語る機会があるであろう。その時、陰でママ社員達に「あいつ寝かしつけしてないらしいよ」と言われない為にも、任せるべきだと考えていた。ウンチおむつを替えているだけでマウント取らせるわけにはいくまい。
これは夫のためであり、夫の会社のためであり、ゆくゆくは日本の男性のためである。

その時の気持ちを丁寧にもう少し書くと、「この辛さをお前も味わえ」とも思っていた。

当日

赤ちゃんは1,2時間おきに順調に起き、一度起きると30分は寝なかった。夫は頑張ってミルクを作り、冷まし、飲ませる。ゲップをさせ、ユサユサとあやしている。辛そうである。私は代わってあげたい気持ちをグッと我慢し寝たふりをかましている。かわいそうで夫の方は見れない。

「ウギャアアア」「ウギャアアア」「ウギャアアア」

赤ちゃんはいつもより多めに泣いてます、と、夫の初の寝かしつけをトラウマにさせるつもりなのか、すんごい寝なかった。もう全然。私は心を鬼にして狸寝入りをして、そのままほんとにグッスリ寝た。

次の日

私は久しぶりにグッスリ寝て、気持ちも体もすっきりしていた。スッキリの時間にこんなにスッキリしているのは久しぶりだ。夫はというと、、

ガチャピンのような顔になっている。赤ちゃんをバトンタッチすると、そのまま昼の12時まで寝ていた。

しかし寝かしつけというステップをひとりでやり切ったのだ。私というクッションがいながら、覚悟を決めてやり切れた!なので起こさず、寝てもらった。お疲れさまでした。

妻がいる中で、自分でやり切るのは相当な精神力が必要であろう。
その中でやり切れた夫はえらい。
男性の育児というのは、妻よりも大変なことも多い気がする。

つづく



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?