未来2016年6月

名も知らぬ四番バッター三振をするたびに春深まってゆく
先輩が減った教室違和感はいつもゆっくり遠くから来る
めでたしで終わる絵本が好きでした内容とかは覚えてなくて
知り合いの姓をいくつもくぐり抜け春の雪ふる高速道路
売り物のボトルシップの帆は風を知らないままに膨らんでいる
光降る大水槽に集い来る幼稚園児のかばんと帽子
勘違いでしたと唐突な別れうっすら白い木漏れ日がある
石鹸から飛べないしゃぼんだまあふれ腕へ次々こぼれていった
自転車の旅の半ばにコンビニがやけに眩しくたたずんでいる

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