未来2017年9月

まひるまに肩の力を抜くときの手のひらにある浅い窪みは
裕明と爽波のことを話したり卓のパン屑を指に集めて
湖を見晴るかしおり私の対岸に深い影がひろがる
だんだんと薄くなるこえ飛行機が陽のただなかを飛ぶのを見れば
海老フライの尻尾をふたひらずつ残しAEON MALLをすぐに立ち去る
水滴を多く纏いぬ夕暮れのシンクに捨てた卵の殻は
綿棒を一本取りだそうとしてもう一本が床に落ちたり
2リットルのペットボトルの水を買い飲みきる頃には微睡んでいる
頬にあるバンドエイドのざらつきの薄い膨らみに触れてしまった
カクテルに沈むオリーブ静かに、静かに私も断定したい

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