未来2016年4月

地下鉄の始まりは陽を浴びていて緑の色の切符をしまう
並木道沿いの屋台に木洩日を煮詰めた色の蜜がたっぷり
この足は制限速度40を超えず遠くを見ている真昼
「どんな人」と聞けば形容詞を多く言われスクランブル交差点
人混みの隅での会話ぼんやりとアーケード商店街の夕
最後には夕日の色を混ぜて黒美術部員は水を捨て去る
人の手という熱量を突っ込めば水槽の海老よく跳ね回る
手をつなぐ言い訳としてある暗さ星を数えて佇んでいる
光れない星の欠片として雨は都市の内部に瞬いている
ポケットは温かい場所考えがまとまらない日の川沿いを行く

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