未来2018年2月

見慣れない麦の名前を呟いて朝の光が入るキッチン
グラノーラのごろごろとした韻律に削られていく浅い微睡み
殴れば壊れそうな バス停と予想通りに遅れているバス
たっぷりの水で洗えばたっぷりの水に濡れたる梨の断面
香良洲っと口に出すたびぬばたまの梨の木の葉を揺れやまぬ影
泣いているように見られてまひるまを三角座りに俯いている
先輩と呼ばれる日々の時々に指の先から寂しさは来る
初恋の記憶のなかに私は長く伸びたる影を持ちおり
週末の夜の終わりにカルピスを少し薄めて飲みほしている
怒れよと囁く声を聞いている寝返りに軋むベッドの上で

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?