未来2016年11月

駐輪場に入りゆく人それぞれが傾いたまま動きを止める
入道雲を目印として海へ着く国道2号線の湾曲
寂しいかと問われればきっと寂しくて身体は風を受けいれぬかたち
俯いてペダルをまわすこんなにも車輪の影は風切るかたち
飲みほしたペットボトルの底のあわ人を待つ間に揺らし続ける
山道のアスファルトは苔むしていて肺がゆっくり冷まされていく
皆が皆雨ひきずってやって来るすき家の赤き看板のもと
あやまちを繰り返しおり指先は修正テープのざらつきに触れ
十秒で牛丼並がキッチンを飛び出してくる夏のま昼間
牙を持ついきものたちも庭先の夏の草花飲み込んでいく

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