#37 小田原A邸の記録
12月12日(火)
ADDress2回目の利用。
今回は小田原A邸に泊まる。1時間で行けるところに敢えて泊まるのもいいかなと思って。
そして、初めて同伴制度を使ってみることにした。同伴者は事前に登録しておけば、無料で宿泊できる。(拠点によっては、追加料金が必要なところもある。)
他県で一人暮らしをしている大学生の娘と小田原駅で待ち合わせをして、旅が始まった。
1日目の昼食は、小田原駅東口の「大雄山線駅舎カフェ1の1」にて。
大雄山線の管理事務所を改装したカフェで、昨年箱根の帰りに一人で立ち寄ったところ。
シーズンメニューのトリュフ香るきのこクリームハンバーグ(サラダ、ライス、グリル野菜付き)を注文。他に行きたいカフェもあるので、ドリンクの注文はしなかった。(お金の節約+最近、トイレが近いので。)
娘は食事をしながらスマホで大学のオンライン授業を受講中。
この店は、会計を済ませて出るときに店員さんが「素敵なお客様がご出発です。いってらっしゃーい!」と言うので、ちょっとだけ恥ずかしい。
歩いて報徳二宮神社へ向かう。
途中で豆汽車の線路に沿って歩いた。
小田原城址公園にあるこども遊園地には、娘が小さい頃に何回か行ったことがある。バッテリーカーが80円ととにかく安いので、「もう1回乗る!」と言われてもイライラせずに済んだ。
あんなに遊んだのに、当の本人はほとんど覚えておらず。ま、こういうのって親の自己満足だからいいのか。
午前中降っていた雨も上がり、地面に貼り付いた葉の赤が鮮やかだった。御朱印もいただく。
次は「南十字」へ。
こちらも「本は港」に出店していて初めて知った本屋さん。最近はブックカフェや本屋から辿って、旅行先を決めることが多い。
今回の滞在先を小田原にしたのも、ここに来たかったからというのが大きい。
本のセレクトが好みすぎて、読んだことがあるものが多かった。
これ読んだ、あれもおもしろかった、この本の著者さんに会ったことがあるなどと、聞かれてもいないのに娘に説明する。(やや自慢も入る。身内に対しては気が緩むのだ。)
リュック旅だったから荷物は増やしたくなかったのに、3冊購入してしまった。他の買い物は我慢できるのに、本は我慢できないのはなんでだろう。
1冊の本との出会いが人生を変えたことがあるため、ここで出会ったのも運命、連れて帰らなくては、と思いがちだからなのか。
おやつは、たまたま前を通りかかった柳屋ベーカリーのあんパン。薄皮であんがぎっしり。
お腹がいっぱいになったところで、ケントスコーヒーを目指す。
今回泊まる小田原A邸の家守さんが働いているので、お会いするために訪ねた。
店内は店っぽくなく、自宅のような空間でとても落ち着く。
マラソンの話をしていたら、近くにランニングシューズの店がオープンしたばかりだと教えてもらった。
いただきものだという柚子もお土産にもらった。
ADDressを始めた理由の一つとして、家守さんの手描き人生マップを描かせてもらいたいというのがあったので、他にどんなことをやっているのかなど聞かせてもらう。今回はインタビューの時間までは取れなかったけど、ぜひ再訪したい。
小田原A邸は入ってすぐのところに本棚があり、入り口からわたし好みの空間が広がっていた。
居室は101号室を利用。1階には他に部屋がないので、そこまで音を気にしなくてよいし、トイレが近いのもよい。(南相馬A邸はトイレに行くのに階段を降りないといけなかったから。)
キッチンやお風呂、屋根裏部屋など一通り探検してから、ワークスペースで仕事や作業などいろいろ。手描き人生マップのラフスケッチを1枚完成させる。
夕飯は、家守さんのおすすめリストに載っていた「そば茶屋正庵」へ行った。
日本酒の飲み比べセットを頼み、3種のセレクトは娘に頼む。アルバイト先で勉強させてもらい、すっかりわたしよりも日本酒に詳しくなっている。頼もしい。
戻ってからキッチンにお湯を沸かしに行ったら、住人さんと顔を合わせたので軽く挨拶。那覇マラソンを走ったことがあるという共通点が!
娘を呼んできて、一緒に就活の話など聞かせてもらう。親でも先生でも同級生でもない人と話ができるのはいい。
わたしにアドバイスできることなどあまりないから(そもそもわたしは就職活動というものを全く経験していない。)、こうやって知らない人とちょっとだけすれ違えるADDressっていいよなぁと思う。
キッチンのホワイトボードにクリスマス会や焚き火の予定が書いてあった。
12月13日(水)
昨夜、住人さんから「日の出がよく見えますよ」と教えてもらったので、日の出時刻を調べて海まで行ってみる。ドアを開けて徒歩3分で御幸の浜へ。
トンネルの向こうに見える海が絵になる。
平日だけど、日の出待ちの人が何人かいた。雲が多かったけれど、隙間から朝日を拝むことができた。心の浄化。
1日は朝で決まるから、今日は絶対にいい日になるはず。
朝日を見ることができただけで、わざわざ泊まった甲斐があると思った。
海からそのまま歩いて「キッチンかぶら」という7時から営業している店で朝食をとった。(家守さんにも住人さんにもおすすめしてもらったところ)
朝からモツ煮や湯豆腐、カレーまで食べてしまった。これで600円は安い。
たった1泊で、家からもそう遠くない場所へのプチ旅行だったけれど、満足感は大。わたしの場合、旅先で出会いがあり、人と話せるとポイントが上がる気がする。一人で出かけて、誰とも話さずに自分の内側に深く深く潜っていくような旅も好きだけど、今回はよくしゃべった。
家守さんにもらった柚子は柚子大根とりんごの柚和えに使い、残ったものを柚子湯に使った。