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体験する予告編「ナイトメア・アリーへようこそ」の全貌メモ

こんにちは。オダギリナオです。

今年2月からフリーランスの空間デザイナーとして独立しての最初のお仕事で、ギレルモ・デル・トロ監督の最新作である”Nightmare Alley”と「映画とファンを繋ぐ新しい出会い」を作り出すプロジェクトを展開するチーム「uni (ユニ)」さんのコラボイベント「ナイトメア・アリーへようこそ」でまさかのディレクションを担当させていただきました。身に余る光栄...!

"体験する予告編"をコンセプトとした今回のイベントの裏側を、私個人の目線からひとつひとつの体験フェーズに沿ってご紹介したいと思います。参加された方もされていない方も、映画を見た後に見返しても面白いかなと思うのでぜひ目を通してみてください。

”体験する予告編”  企画コンセプト

これから映画で描かれる世界の中に一足早く入り込み、自分の五感でその世界を体感する。まさに”体験する予告編”をひとりひとりに届け、映画のもっと深いところへ誘い出す。ギレルモ・デル・トロという唯一無二の世界観、また今回は独特のビジュアルやファンタジー要素に留まらずストーリーテラーとして新たな境地に達した「ナイトメア・アリー」という作品の深いところまで伝えるべく”体験する予告編”という新たな形式にチャレンジしたい。

Ⅰ. 招待状が届く

多数の応募から選ばれた皆さまには、こんな招待状が届きました。事前にイベントの雰囲気をお伝えできた情報はこれだけ。

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デザインはuniのharucaさん
信じられないスピードで仕上げていました...!

ギレルモ・デル・トロの怪しくも華やかな世界観を演出する箔押し印刷と深い緑色、差出人のないシンプルな封筒は特徴的な目で封がしてありました。
裏には会場の住所と地図が記され、こちらにも封と同じ目のマークで場所が示してありました。

Ⅱ.地図を元に会場に辿り着く

当日指定された時間に会場に辿り着くとこんな扉がありました。招待状と同じマークがあることでここだと確信し、重い扉を開けることが出来ます。

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両サイドにもタイトルパネルを設置

会場は銀座にあるティル・ナ・ノーグさん。uniのDIZさんが以前からここでデル・トロ監督について語り合えたらと思っていた場所で、圧倒的な空間にもうここしかないと全員が思っていました。あまりやったことがないというイベント開催の相談にも快く応じてくださり、今回ここでの実現に至りました。

Ⅲ. 圧倒的に作り込まれた空間へ降りる

扉を開けるとすぐに地下へ続く階段があり、両サイドにナイトメア・アリーのキャラクターポスターがずらっと並んでいました。奥にはイベントタイトルがカーニバル風にデザインされた幕が。下からスポットを当てて照らし、その奥へ誘導するような演出になっていました。

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縦に長く小径のように伸びた店内には、天井から蝶の剥製や鍵が無数にぶら下がり、パンズラビリンスの妖精を思わせるような鉄でできた妖精たちがあちこちに座っています。他にはないこの圧倒的な密度に包まれる体験は、デル・トロ監督の徹底した世界観に浸るには最高の場所でした。

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中で待っていた読心術師に案内されて、各々好きな席へ座ります。ショーが始まるまでの時間は、中を見て回ったりドリンクを注文しに行ったり自由に過ごしていただけました。

Ⅳ. 読心術ショー

いよいよ当カーニバルの読心術師ショーが始まります。トニ・コレット演じるジーナ、ブラットリー・クーパー演じるスタンを思わせる読心術師がお客様を巻き込みながら読心術を披露しました。

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一瞬で燃やした紙に書いてあった文字を読み取るパフォーマンス

書いた名前の文字が”悪”という字に変わり、お客様の本性が暴かれてしまった第一のショー。そして各々人生において大切にしているものを紙に書き、無作為に選んだ紙を燃やして読心術師が文字を読み取り、”夢”という文字を導き出した第二のショー。

会場の作りの関係で2グループに分かれての開催でしたが、10人以下のプライベートショーのような規模で楽しんでいただけました。

Ⅴ. 特別映像をじっくり見る

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全て違う4種類の映像が公開されていました

会場内には未公開映像を含む4つの特別映像が上映されていました。実はこの映像の中にプレゼント抽選に参加するためのキーワードが隠されており、それを見つけるためにしっかりと映像を確認する必要があった為、全員にガッツリ見ていただくことができました。各モニターに掲げてあったタイトルも映画を理解する上で重要なワードになっていたり、劇中のカーニバルを模したデザインで装飾されていたり、映画を見た後にもう一度見返すと楽しいものになっています。

Ⅵ. 手に入れた情報を持って目指すべき場所に行き、運を試す

このフェーズが当イベントの最も重要なストーリーでした。この為にショーの内容を思い出し、映像をじっくり観察し、それが叶う場所へ自ら移動して運を試す必要がありました。これこそが知らず知らずのうちに主人公であるスタンの行動をなぞっており、まさに”予告編の体験”となっていました。結果はお客様の行動と運命次第でしたが、いかがでしたでしょうか?

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キーワードを手に入れる方法も厳密には謎解きではなく、映像やショーに没入して楽しんでいただきたいという思いからの方法でした。それでも「なるほど!」と思って楽しんでいただけていたら幸いです。

運試しの抽選も、映画からインスパイアされた観覧車やジーナの鍋を模しており、少しでもこの空間に馴染む小道具になればいいなと思って制作しました。抽選で当たる商品は、トートバッグやロゴ入りメモ帳、ポスターなどは全て非売品です。

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Ⅶ. オリジナルノンアルコールカクテルを楽しむ

今回のイベントの目玉、ナイトメア・アリーのキャラクターにインスパイアされたオリジナルノンアルコールカクテルです。オリジナルコースター付き!バーテンダーさんが原作本を読み込み、映画ではカットされた深いところまでキャラクターを追求して作り上げてくださいました。ちなみにThe Hope 2 Youに付いてきたタロットカードはこれを担当したお姉さんの手書きだそうです...!

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デザインはこれもuniのharucaさん

このオリジナルドリンクは4/1〜5/5までティル・ナ・ノーグさんで引き続きお楽しみいただけます。※値段は各1300円に変更になります

Ⅷ. 運命を探す

運命だけが味方して手に入るものもありました。

ショーの最後に読心術師が意味ありげに言った「この中に運命が隠されています」という言葉、実は最初にお配りした2枚のカードとは別にもう1枚、会場の中に隠されていました。各回に1枚のみのカードは毎回違う場所に隠され、スタッフも知らないことも。

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最後のカードはここに隠されていました

運良くカードを見つけた方には、非売品の中でも特に貴重な商品がプレゼントされました。もしかしたら見つからない回もあるかも...?と思っていたのですが、見事全部見つかり会場も盛り上がりました。


ここまでが”体験する予告編”の全貌です。本日3/25から公開される「ナイトメア・アリー」。映画をご覧になり、予告と繋がる部分やハッとすることがあるかもしれません。それも全て含めての映画体験を楽しんでいただけたらなと思います。私に出来ることはここまでですが、これからもこんなイベントを作っていけたらいいなと思っています。ではまたどこかでお会いできますよう!


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