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陰陽学のススメ⑧…アンガーマネジメント 漢字紐解きは「器」

感情の陰陽区分

基本感情の4つである「喜怒哀楽」

喜怒哀楽の行動が必要な場合には陽のエネルギーが流れます。
そして、じっくり考えたりすることが必要な場合には陰のエネルギーが流れるというように、状況に応じて陰陽のエネルギーを切り替えながら私達は過ごしています。

この陰陽のエネルギーもレベルが「過ぎる」と問題となってくるのですが、なんとなくイメージできるかと思います。

陰のエネルギーが過ぎると、不安・恐怖・被害妄想・ねたみ・ひがみに繋がったりしますし、更には怒りや憎しみ、恨み、そして復讐の心に支配されることにもなります。

陽のエネルギーが過ぎると、喜びが高慢となり、怒りは激怒となり、哀しみは絶望、楽しさは悪戯に至ります。

今回は、この中の「怒り」にフォーカスしてみようと思います。

「怒り」の影響

思い出し笑いならぬ、思い出し怒り…という経験をしたことはありませんか?

あまりにも怒っているから少し前の出来事かと思いきや、数ヶ月前の出来事だったり…。

相手の勢いに圧倒されてしばらく聞いていたら、その出来事が一ヵ月も前のことだった……など、まるで今起きた出来事かのように、ずいぶん昔の話を憤慨しながら話してくる人の相手をしなければならなかった経験など、皆さんお持ちじゃないかと思います。

これは、「今」、体は怒っていないにも関わらず、脳内で怒りを再現しているという「再体験」状態になっているからです。

そして、その再体験が心身に与える影響について、実際に怒っているときと殆ど変わらないというデータがあります。

怒りの再体験すればする程、不快な出来事を脳内で再現する訳ですから、心身へのダメージも当然大きくなり、イライラを自ら作り出すことにも繋がってくる訳です。

このダメージを回避するには、「怒り」をマネジメントしていくしかないのですが……。

怒りをマネジメントできる?

最近でこそ、アンガーマネジメントという言葉を耳にする機会も増えてきましたが、まだまだ怒りをマネジメントするということは、怒らないようにする → 怒りを抑え込む → 自分が我慢すること…と思っていらっしゃる方も多いのが現状です。

あ、申し遅れましたが、ワタクシ、アンガーマネジメントの講師をやっているんです。💦

アンガーマネジメントの基本的な考え方は、怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らなくて済むようにコントロールする…ということ。
怒らないことではなく、怒ることと怒らないことの線引きができるようになる…ということが目的なのです。

なんとなく察した方もいらっしゃると思いますが、これは心理トレーニングであり、アンガーマネジメントは「技術」なのです。

これができるようになると、先程の再体験で繰り返し苦しむといったことから脱却できます。

自分の怒りのタイプ

日本アンガーマネジメント協会のwebサイトに自分の怒りのタイプを知る無料診断ツールがあります。

是非やってみて下さい。

自分の怒りのタイプを知ることで、対人関係におけるイライラが生じた時の対処がしやすくなりますよ。

「怒り」への対処法・防御法

「こうすべきだ」と怒っている人に対し、怒られている人も「いや、そうではなく、こうすべきだ」と反発を感じることもあるでしょう。
価値観の基準は、人それぞれ違うのだから当然です。

「価値」対「価値」のぶつかり合いは、互いの怒りを増幅し合うだけで、議論をかみ合わせることすら難しくなります。また、怒られることで悩んでいる人にとっては「違う」と思いつつも反論もできないまま、「なぜ黙っているんだ!」と「こうすべき」の追い打ちにあい、まったく余裕のなくなってしまうこともあるでしょう。

さて、「怒り」の発火原因にもなり得る、この「べき」にどう対処したらよいのでしょうか?

結論から言いいますと、怒っている人の「べき」は否定してはいけません。その人の価値基準を、その場で否定して心から納得してもらうことなどはそもそも不可能ですし、そんなことを重ねていたら人間関係も会社などの組織も根本から崩れてしまいます。

現実的には、まずは相手の「怒り」とその原因である「べき」を否定せず、自分にその被害が及ばないようにすることが有効な防御法になるのです。

「怒りのピーク」を予測する

アンガーマネジメントには、「怒りのピークは6秒間」という考え方があります。

これは、自分の「怒り」が頂点に達しても、そのピークの6秒間さえやり過ごせれば、相手を強く怒ったり、強い言葉や態度で誰かとトラブルを起こしたりすることが回避できるという「怒り」の制御のコツです。

これは、怒る側が自己制御する技術ですが、怒られている人にとってみれば、まずは6秒間がピークと考えて、そこをかわすことを考える…という活用もできます。

ただし、この6秒間を耐えても、あなたの周りにいる怒りっぽい人からは、またいずれ「怒り」を爆発させる、次の6秒間がやってきます。

繰り返し「怒られる人」の特徴

なぜ繰り返し怒られる人がいるのでしょうか?

繰り返し「怒り」をぶつける人はどういう人ですか?
上司、取引先、顧客、同僚、家族…。

当然、その人の社会的な人間関係は、他にもいるはずです。
その人は、誰にでも怒りをぶつけているでしょうか?

どんなに怒りっぽい人でも、全方位の人間に向けて「怒りのピークは6秒間」を常に発し続けてはいないはずです。

これまで確認してきた通り、怒られる人の中には相手の怒りの根拠はないのですが、相手の怒りを誘発する「きっかけ」はあります。

怒られやすい人には、一般的に次のような傾向があると言われています。

 ①「はっきりしゃべらない」

怒りっぽい人は、意見が正しいか誤っているかではなく、議論の白黒の明確さにこだわる傾向があります。語尾があやふやだと、どんなに正しくても、「だから何なんだ!」と思いがちです。

 ②相手に常にボールを渡しがち

「どう思う?」と聞かれても「こういう意見もあるし、こうした意見もありますね」と一般論や状況だけを説明して返す人や、「どうしたらよいでしょうか」と返す人は、そこに自分の意見や判断が含まれていません。常に判断を相手に求めるため、相手がイライラすることがあります。

 ③話が長い

誤解されないようにと、一から十まで説明することで話が長くなり、「で、結論は?」と聞かれても、さらに説明が続き、なかなか話がクロージングしないと相手の怒りを誘発します。

 ④自信のなさが表情や態度に出てしまっている

おどおどしていたり、自分から声を掛けたり、挨拶をしない人は、必ずしもそうではないのに、態度が悪そうに見えたり、反発している印象を与えたりするため、相手は「注意や指導」をしなければと思ってしまいます。

相手の「怒り」にあなたは関係ない

先の①から④について、これらはすべて改善できます。

最後の「自信のなさが表情や態度に出てしまっている」場合、口角を上げて形だけでも表情を明るくしてみると、それだけで相手との関係がずいぶんと良くなるケースが多々あります。

しかし、怒られる側からすれば、「そんな態度や表情になるのは、何度も強く怒られ、心がへし折られてきたからだ!」「もっと丁寧な説明やアドバイスをしたっていいのに!」「そんな事で怒る方がそもそも間違っている!」と思うことでしょう。

そうなんです。
相手の怒りそのものは、あなたに関係ありません。
単に相手の感情が発露しただけであり、それをあなたに向ける事がそもそもが間違っているのです。

だから現状を改善するのは「相手に間違いを認めさせ、懲らしめる(やっつける)」ためではありません。
大切なのはあなた自身ですから、あなたを苦しめる「他人」にそこまで関わる必要はないのです。

怒る側の簡単にできるアンガーマネジメントテクニック

アンガーマネジメントの具体的内容(方法)については、是非講座を受けて理解を深めることをオススメしますが、簡単なところでは自分の怒りについて、スケールを持つことでしょうか。

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10段階で「怒り」を区分した場合、最高の10を人生最大の怒りとします。
人生最大の怒りなので「ぶっ殺してやる!」くらいのイメージと捉えて下さい。そうすると、たいていのコトは3~5程度になることが分かると思います。怒りやすいタイプでも5くらい。

こうすることで怒りの感情には強度があることが可視化され、捕えようがなかった怒りの感情を客観的に捕えられるようになります。
そして怒りを感じながらも思考の冷静さを保つことが出来るようになってくるのです。

そのうえで、予め怒りのレベルに応じた対処法を用意しておくことで、怒り感情の暴走から身を守ることが出来ます。

アンガーマネジメントは、怒りの感情が沸き起こった時に効果を発揮する「技術」であることが分かると思います。

怒る側の簡単にできるアンガーマネジメントテクニック②

「怒りのピーク」は長くて6秒なので、数値化してやり過ごす…という方法です。
激高するような怒りでも、6秒をやり過ごせば怒りに任せて衝動的に行動しにくくなります。

先程のスケールテクニックと併せて、怒りを数値化する方法です。
今の怒りがどれくらいの値に相当するのかを考えます。
数字に意識を向けている間に6秒経つ…ということになります。

誰かに何かを言われたとき、ついカッとなって言い返す、というようなことは誰にでもあると思いますが、そのときにまず試したいのは「6秒ルール」というものです。

人間が怒りを覚えるとき、脳内では興奮物質のアドレナリンが激しく分泌されています。 そのことにより興奮してしまい、冷静ではいられなくなってしまうのです。 

しかしこのアドレナリン分泌のピークは、怒りを発してから6秒後と言われていますので、最初の6秒間をやり過ごしてしまえば、その後は徐々に冷静さを取り戻すことができるのです。

その「6秒をやり過ごす」ために役立つのが、他のことに意識を向けることです。 一番簡単な方法は、心の中で6秒カウントするというもので、数を数えるといった単純作業を行うことで、意識を自然と怒りの対象から外すことになるのです。

 逆に100から3つ飛ばしでカウントダウンするとか、朝に家を出てからの行動を思い出してみるとか、自分なりの「カッとなった時には、こう行動する」という決まりを作っておくと突発的な怒りに任せた行動を防ぐことができるようになります。

陰陽学から見たアンガーマネジメントテクニック

頭に血がのぼって制御不能になる前に、とにかくその場を離れてみるという対処方法もアリです。
逆に酷く詰められ、逆にキレてしまいそうな時も、その場を離れ落ち着きましょう。

その場合の時間ですが、暦の区切りは一刻が2時間。
2時間経てば象意が変わってきますので、この2時間という単位を活用するとラクにやり過ごせるケースが多いと思いますよ。

今回の師匠の漢字紐解きは「器」

怒りをコントロールできるようになると、人間としての「器」がひと回り大きくなります。
この「器」が大きくなるということは、そのまま人間的魅力が高まることに直結しますから、是非動画内容を参考にしていただきたいと思います。


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