アレルギーの事①

自分は幼児の頃からアレルギー体質で、これには人生を通じてずっと悩まされてきた。

主に悩んできた症状はアトピーと鼻炎だ。この2つの症状が自分の人生に与えた影響はあまりに大きい。

昔の写真を見ると、3歳児くらいの時からアトピー症状が出てきているのがわかる。最も酷かったのは小学生〜中学生時代で、年がら年中体が痒く、寝る前は薬を塗って患部を包帯グルグル巻きにして少しでも掻かないようにいつも苦心していた。
それでも朝起きるとお尻や膝裏や首周りは酷いことになっていて、なんとも辛い気持ちになった。
辛かったのは痒い、痛いという事だけではなく、その事でクラスメイトに揶揄われたり、気持ち悪がられる事だった。
仲の良い友達は決してその事で自分を揶揄ったりしなかったが、そうでもない、特に女の子からは良く気持ち悪がられ、机を離されたりもした。子供ながらにそれがとても辛かった。

悪化する可能性があるので、油物、甘いものや、お菓子類、卵や牛乳などを制限しなくてはならないのも地味に辛かった。だから幼少期は納豆ばかり食べていた(そのおかげで未だに納豆を食べるのが毎日の習慣になっている)。
好きだったチョコレートを滅多に食べれないのが悲しかった反動で、今はチョコレートをついつい買って食べてしまう癖がついてしまい、健康に悪いと思いながらもやめられないのが地味な悩みになっている。


中学に入学後に一時的に症状が落ち着いたものの、3年生の頃にまた急激に悪化し、この頃は思春期だった事もあってその事が激しいコンプレックスになった。
恋に対しても消極的になったし、
皮膚が焼けるような身体の痒みは確実に勉強の妨げになったと思う。
とはいえ、どのみちその頃にはロックとギターのことばかりで勉強への興味は完全に消え失せていたのだけども…。


そんな自分の人生を深く悩ませてきたアトピーも、成人した頃には不思議とだいぶ治まり、今も汗をかく夏場や乾燥する冬場は多少出るものの、昔に比べると信じられないくらい改善したと言っていい。
何故改善したのかは全く持って不明だが、ずっとかかりつけだったお医者さん曰く、幼児からのアトピーは成長とともに落ち着く事があるとの事だったので、自分の場合は見事その通りになったのだろう。
それに関しては本当に幸運だったとしか言いようがない。

しかし、身体のアトピーに関しては成人してからだいぶ治ったものの、頭部(頭皮)のアトピーに関しては30代まで悩まされる事になった。

身体には出ないのに、何故か頭部にだけ出るアトピー。

常に頭皮に痛痒い出来物があり、そのせいで櫛を通すのも苦痛、髪を染めたり、パーマをかけたりするなんて言語道断だった。

それでも若い頃は色気付きたい欲求もあるし、バンドマンである以上髪型には拘りたいので、飲み薬と塗り薬を常用し、少しでも良くなった時を見計らって髪を染めたりしていた。
20代は茶髪や金髪だった時期も多かったけど、その裏にはこのような苦労もあったのである。

今はもう色気付く年頃も過ぎたので、ハードな髪型をすることもなくなったせいか、頭部のアトピーもかなり良くなっている。

30代後半からは日常生活に支障をきたすレベルのアトピーはしばらく出ていない。
だが、これ(アレルギー)は体質である以上、いつまた急激に悪化するかはわからない(実際、一昨年いきなり30年以上ぶりに喘息症状が出たりした)。


アトピーの苦しさは当事者にしか残念ながらわからず、また外見的なものから大きなコンプレックスにもなるし、時には差別の対象にもなりかねない。

自分も未だに肌を露出するような格好は当時のコンプレックスから出来ない(タンクトップとか)。裸になることに抵抗があるし、ハーフパンツは絶対に穿きたくない。
(まあ、誰も自分の肌の露出を見たいなんて思ってないのでなんの問題もないのだが)
わずかだが、精神的なトラウマは残っている。

自分がもしアトピーでなければ、わからなかった心の痛みもあるだろう。
そういった点ではこの体質に生まれて、そのおかげで学べた事もあるのかもしれない。

でも自分がしてきたような気苦労は一人でもして欲しくないと思う。

近年たまにアトピーを根本的に治す画期的な治療薬が作れるかもしれないというニュースが流れるが、一日も早くそんな薬ができて欲しいと心から思う。

その薬で一人でも救われる人が増えて欲しいし、未来にはアトピーという病気が根絶されていることを願って止まない。




次回はもう一つの自分の人生を大きく左右したアレルギー症状「鼻炎」について書こうと思います。

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