見出し画像

バチェロレッテ見てたらホールニューワールドだった

最近ハマっている『バチェロレッテ』について書こうと思う。

まず初めに、私は『リアリティーショーは、ドキュメンタリーではない』と思っている。ショーと名乗ってカメラがまわる限り「現実ではこんなことありえない!」という出来事があって当たり前だと思うからだ。
ノンフィクションと名乗っていたのに、実は演出があってヤラセだった、という話題もよく見る。編集などで人の手の加えられたものである以上、視聴者に与える印象を変えることができるので、特に日本において『ドキュメンタリー番組』というものは、あって無いようなものなのかもしれない。
なのでリアリティーショーに対してあまりにも現実性を求めるのも何か違うと思うし、ドラマのように画面の前でヤイヤイ言いながら見るだけのものであり、もし不快に感じる出演者がいたとしても、出演者本人のSNSに攻撃的な悪口を書きに行くなんてありえないと思っている。

そんな私が今、『バチェロレッテ』から目が離せない。
セレブな男性が多くの女性達の中から未来の結婚相手を一人を選ぶ『バチェラージャパン』シリーズも見ていたけれど、正直私は片手間に「ながら見」をしていた。
男性が女性を選ぶ、という構図の中で、女性陣の気持ちとは裏腹に男性バチェラーに対して「そう捉えるんか〜い!」と言うツッコミ事例が度々発生し、心がざわつくからだった。
大ドンデン返しがあった賛否両論のシーズン3についても、びっくりはしたものの、シリーズ史上最高にリアリティーショーっぽいと思った。
(と共に、シリーズ初・結婚したカップルにもなったことにさらに驚いた)

そんなシリーズの男女逆転版が『バチェロレッテ』だ。
今度は女が選ぶ番。という訳でバチェロレッテに選ばれた福田萌子さん。
裕福で温かい家庭に生まれ12歳からモデルの仕事を始め、今では『スポーツトラベラー』として世界中を飛び回り、旅を通してスポーツやアクティブな人生の魅力を伝える彼女。
セレブであることは確かだけど、それよりも芯の強さや自立している女性であることがとても魅力的に感じるし、常に明るく元気でアクティブである反面、人の繊細な部分も感じとることが出来る萌子さんを見ているうちに、萌子さんにあるのは『愛される女子力』ではなく『愛される人間力』だということが分かってくる。

バチェラーシリーズの場合は、出演者の女性たちがいわゆる『モテテク』を使うシーンが度々あった。軽いスキンシップや些細な気遣いのテクニックだ。意図的なものもあれば自然なものもあったのだが、それに対し明らかにデレデレしているバチェラーを見ては、
「自分は一体なにを見せられているのだろう・・・」
というモヤモヤした気分になっていたのだ。
(多分私だけではないはず・・・。)

しかし選ぶ立場であるバチェロレッテ萌子さんの場合、男性に対するモテテクはもはや不要であり、たとえ男性側から手を繋ごうとしてきても、さらりとかわす。
世界中を飛び回っていた萌子さんなので、外国なら挨拶や感謝を伝える時に体全体で表現する『ハグ』には慣れていて、男性とハグをするシーンは沢山ある。でも、手を繋ぐことには慎重だ。
挨拶として出来るハグよりも、手をつなぐことが萌子さんにとっては相手を選ぶプライベートな行為であり、重要なことなのだと思う。
嫌いだから手を繋がないのでは無い。
萌子さんは「思わせぶりな態度はよくない」と思っているのだ。
手を繋がないことで、その時は相手を傷付けることになるかもしれない、でも中途半端な気持ちで相手を翻弄させることの方が結果的に相手を傷付ける可能性があること知っているのだ。多分ね。知らんけど。

回を重ねるごとに、もはや萌子さんがカウンセラーのように見えてくる。
中途半端な気持ちで来ている男性のことは的確な質問を投げて見透かしてしまうし、萌子さんとの対話の中で男性陣がハッとすることが多々ある。

萌子さんは『言葉の表現』を大事にする人だ。
そして『素敵な人』よりも『自分に合う人』を探している。

前置きが長くなってしまったが、私にとってバチェロレッテでの見所は、そんな萌子さんの人間的魅力だけではなく、杉ちゃんの成長物語であると思っている。
エピソード1のカクテルパーティーシーンではモゴモゴして自分から話かけに行けず、室内にひとりぼっち。周りの男性陣に励まされながら、萌子さんに自分の描いた絵を見せ、挙動不審になりつつも得意な芸術を通して少しずつアピール出来るようになり、回を追うごとに会話が弾み、杉ちゃんだからこそ出来る優しさや魅力が滲み出てくる。
杉ちゃんはエピソード1から感極まって泣き、その後のエピソードでもガンガン泣く。素直に感情があふれだすその姿が何とも胸を打つ。

エピソード5では、木の下で萌子さんを囲みメンズ達が談笑しているシーンが何とも穏やかで、萌子さんもう誰も選ばないで...萌子さんとみんな仲良く暮せばいいじゃん.....もうみんなずっとこのままでいて...と思って切なくなってしまった。

エピソード6では
「萌子さんのことがたまらなく好き。
萌子さんのことを考えると成長できるし変われる。びっくりする明日になる。その毎日が続いていったらびっくりする将来になると思う。
短期間でこれだから毎日変わっていって..今の自分がすごく好き、なんでこんな風になれたんだろう。萌子さんのこと考えてたから。生きるのにね、必要不可欠になっちゃったんです」
と杉ちゃんが涙を流しながら語った時、思わずこちらも泣いてしまった。
エピソード1では完全に陰キャの雰囲気だった杉ちゃんが。
あの杉ちゃんが。

この時、私の頭の中のBGMには『ホールニューワールド(英語版)』が流れだした。
宮殿で窮屈な暮らしをしていたジャスミンをアラジンが魔法の絨毯に乗せてかっさらいながら歌うこの歌。
ここでいう『魔法の絨毯』というのは愛する人と出会ったことで生まれる『新しい世界の見方』の比喩だと私は思っている。
自分にとって素晴らしい人との出会いは、まるで魔法の絨毯に乗った時のようにワクワクして、同じ世界であっても、全く新しい世界のように思てくる。
そんな人に杉ちゃんは出会ってしまったのだ。

バチェロレッテは今夜まもなく、最終回を迎える。
萌子さんが最終的にどちらを選ぶのか、知りたいようで知りたくないような気分。
でも、どちらにしても杉ちゃんが萌子さんに出会えたことはとても素晴らしいことなのだと思う。


愛は花びらです。

サポートいただくと、かなり喜びます....!!! 今後のクリエイティブの活動費として使わせていただきます!!