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台本読解が苦手。<前編>

声優を目指している人に、
「台本読解が苦手だ」
「台本読解力が弱い」

と仰る方がいらっしゃいます。

そして、
苦手だとわかっていても、
台本読解力について、
何の取り組みもしていない人が大勢います。
取り組み方がわからない人も多いのだと思います。

台本読解は一旦置いておいて、
キャラクター性とか、
滑舌とか、
演技とか、
そちらにばかり
意識が向いている。

これはまずいことです!

…いや、キャラクター性とか、
滑舌とか、
演技とか、
それらをクリアしようとすることがまずいのではありません。

「台本読解力がない」
「台本読解が苦手」

とわかっていることを
そのままにしておくことが
まずいのです。

なぜなら、

台本を読んで物語を理解し、

人物を理解するために、
台本とも自分とも
向き合って向き合って
本番までに準備してくるということが、

声優、俳優の仕事だからです。

キャラクター性や
滑舌や演技は
非常に大切なことですが、
そもそも台本を理解していなければ、
それさえ活かせないのです。

声優は、
作品や人物の思いを、
声のみで届ける仕事、
ではありますが、
基本的には役者なので、
役者の仕事は
作品を理解し、
役を自分で作っていくことです。
修正が入ればすぐに直せることです。

声優を目指す、
特に若い方々にありがちなのが、
声を、
いわゆる「いい声」とか、

映像に合わせるとか、

キャラクターを使い分けるとか、
それが仕事だと考えてしまうということです。

それも仕事ですが、

台本を理解していないと、

例え発声や滑舌や声色が良くても、

外見が良くても、
更にはフォロワー数が多くても、

声や見た目、フォロワー数で
起用されたり所属できたとして、
長続きはしないと思います。

作品のことを考えること、
役のことを考えること、

どんな背景があり、

誰とどんな関係性があり、

台詞には書かれていない部分で

本当は何を思っているのか、

台本上の人、架空の人ではありますが、

自分ではない他人の思いに寄り添い、

自分がその人本人であるという感覚。

一番必要なことなのに、

それなくして
「どういう声で演じようか」

「どんな演技にしようか」

「自分だったらどうしようか」

としか考えていなかったら、

台本読解が苦手というよりも、

「声優の仕事をしていない」

ということになってしまいます。

今、声優という職業は
以前とは変わってきていて、

顔出しで活躍されている方が多いですよね。

制作発表に登壇したり、

作品のイベントがあったり、

バラエティー番組にも出演したり、

裏方であった声優が
表に出ることが多くなり、

CDデビューなんかもしちゃったりして、

アイドルや俳優よりも
目立っているこの時代。

そんな所謂人気声優の方々がされている仕事だけを見て、
そこに憧れて声優になりたいと思い
この業界に飛び込んだ方も
いらっしゃるかと思いますが、
そうやって活躍されている人気声優さんも、
ご自身の仕事の一番大事なこと、

「作品を、役を理解した上で演じる」

ということにこそ、
重きを置いていると思います。

それでも目立った部分を
見てしまう方は多いかもしれません。

キャラクターの幅とか、

基本的な発声や滑舌、

もしかしたら抑揚とか、

そういったことばかりに

取り組もうとする方が
多いかもしれません。

先程も言いましたがそれも大事です。

ですが、
台本を理解しないまま
演技に臨もうとしても、
実際のところ演技になっていないことが多いと思います。

読解力、というか、

作品や役を理解する力

ですね。

これを身に付けることを、
後回しにしている方がいるかもしれませんが、

「台本読解が苦手」
と思っている方は、

今すぐ取り組むべきことだと思います。

そうして初めて、

取り組んできた自分の強みや、

キャラ幅や、
磨いてきた声が
活かされると思いますよ♬

「台本読解力はないけど
演技は得意だと思う」

は絶対あり得ません!!

そんなわけで後半では、

原稿を頂いた時に
多くの人がどう考えがちか。
そしてどう考え方を変えてみると良いか。

…ということなどに触れたいと思います♪

お読み頂きありがとうございました!

佐山直子

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