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台本読解が苦手。<後編>

『台本読解が苦手。<前編>』にて、
台本と向き合うことの重要度を書きました。

とは言え、
「台本読解力を身に付ける」
ために、
どうすれば良いのか、
「これをやればいいんだ!」
の“これ”も曖昧な方が多いと思います。

「読解力をつけたいなら沢山本を読め」

一番ありがちなのがこれですね。

昔から本を沢山読んでいたことで
読解力が身に付いている方もいらっしゃるでしょうし、
大人になってからでも
本を読むことで読解力が養われた方も
いらっしゃると思います。

しかし、
ただがむしゃらに沢山本を読んでも、
読む視点がずれていたら
「“役者”として役を理解する」
に至るかと言ったら
そうではないかと思います。

ちょっとここで視点を変えて言うと、
「台本読解力が弱い」
と言う方は、
文章や台詞を言葉のままで見てしまったり、
台詞の内容によって
「この台詞を言うのはこういうキャラ
とキャラを決めてしまう傾向があるとお見受けします。
役を理解する前に、
台詞の内容、言葉尻だけで、
キャラを固定してしまうのです。

「この台詞を言うのはこういうキャラ」

というやり方は、
可能性を狭めることでしかありません。

ボイスサンプル原稿や、
何らかの台詞課題の相談を受ける時に、
「この台詞ってこういうキャラじゃないですか」
と同意を求められることがありますが、
「いや、台詞は台詞なだけで、
 キャラは決まってないよ?」
と返しています。

台詞から読み取らなければならないのは、
この台詞を言うのはどういうキャラか
ということではなく、

どうしてこう言っているんだろう。
どんな思いで言っているんだろう。
本当にこの台詞通りの思いなのかな。
それともこの台詞の裏で思ってることは逆なのかな。
1秒前、30秒前、1分前、10分前……に、
何があったのかな。
台詞をかけている相手はどんな人で、
どんな関係なのだろう。

…などなど、
役の性格、状況、周囲の人の関係、
役が台詞の裏に抱えている思いなどを、
想像してみると良いかと思います。

オーディションやボイスサンプルは特に、
「言い方」から考えてしまいがちですが、
どんな人で何を目的にこう言っているのか、
場所や時間帯や温度感も感じられると良いですね!

2人以上が登場する「作品」場合は、
それが登場する人数分となるので、
なかなかに時間もかかります。

オーディションやレッスンなどで、
「なんかキャラに声が合わない」
「もったいない」
「それは役じゃなくて自分じゃない?」
などと言われたことがある方は、
言われたことそのものが自分の弱点と捉え、
言われたことだけに取り組んでしまいがちですが、
それは書いてある台詞を本当には理解していないから、
という可能性もあるかもしれません。

(もちろん、
台本を理解しているけれどキャラに合わない、
という事例はオーディションなどでは
たくさんありますけどね😅)

声優さんのラジをを聴いていると、
結局は芝居を第一に考えているなぁと、
どんな人気な若手声優さんでも
そうだなぁと感じます。
だから継続して仕事があるでしょうし、
それに加えカッコ良かったり
可愛かったり、
歌が歌えたり踊れたり…
なんて要素がたくさんあり、
それで顔出しOKであれば、
露出も多くなるし人気も出ますよね。

ただ、それだけが声優ではない
ということを心に留め置いておくと良いと思います。

声優の仕事の主は演じることですが、
そのために
台本を読み込み、
作品を理解し、役を理解し、
それを短期間で行い、
時間の決められた収録で発揮する。

その、演じる以前の取り組みが仕事です。
言われた通りに表現するだけではないということです。
言われた通りに表現できるのは、
むしろ当たり前であり、
言われたことに対応できる能力も必要です。

小説でも戯曲でも、
前述した視点を持って、
台詞に書かれている言葉だけで
人を捉えるのではなく、
その裏で感じている思いを感じながら、
たくさん読んでみると良いと思います!

それをやってみて、
でもなかなか実践に活かされない、
言われたら気づけるけど、
言われないと自分ができているのかどうなのかわからない、
言われてみてやはり人物を理解できていなかった…
ということが多い方は、
私のスタジオの特別演技講座をお勧めします✨

現在、こちらのシリーズの
モノローグクラス
というクラスが開講中です。

全6回クラスで、
既に3回分までは終了していますが、
今からでも受講可能です♪
(それまでにアーカイブをいくつか見て頂かなくてはなりませんが)

こちらに参加している方は、
まずは「どう読むか」ではなく
「どう人物を理解するか」
と、初めに台本を手にした際の視点が変わっていき、
作品の理解も役の理解も早くなっています。

何より、
役として生きるという感覚が磨かれている!

もし本気で声優になるために、
台本へのアプローチをクリアしたい!
と本気で思うなら、
飛び込んでみてください😊

今日もお読み頂きありがとうございました🍀

佐山直子

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