今は人生のどの段階にいるかを俯瞰する
好きなことを仕事にして生きていこう。
風の時代に入って、そう叫ばれるようになってから、逆に悩むようになった人も多いのかもしれない。
少し前まで、仕事なんてお金を稼ぐことが目的なのだから、楽しくなくても当たり前。
理不尽な思いもぐっと飲み込んで、たまったストレスは、仕事以外の時間に発散するのが当たり前、だった。
23年前、わたしが会社員からフリーランスに転身した当時は、まだどっぷり土の時代。
地位や名声、学歴とか就職先の有名無名であからさまに人の価値がはかられ、仕事においても、クライアントと下請けの上下関係は明白で、コラボレーションという概念すら、まだ浸透していなかった。
29歳で退社したタイミングも、会社員時代は一応世間に名が知れた出版社で、人気雑誌の編集部で役職を与えられていたとはいえ、その肩書きを失えば、またゼロからの振り出しとなる。ならば、ギリギリ「若手」とみなされる20代のうちに、フリーランスのキャリアをスタートしたほうがよさそうだ、と考えたからだった。
出版社の下請けとして働いた10年
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