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AIによってコーディングがなくなる

Webページというものが生まれて以来、HTMLコーディングという作業はあり続け、それによって健常者のみではなく、多くの人がWebによる情報発信を受け取ることが可能になっていました。
近年もコーディングを行うマークアップエンジニアの職はありつづけ、また多くの人が新しくこの職に就いています。
しかし、AIの登場によって、この仕事は消滅する可能性が大きいのです。

直近の未来

1、2年のうちに変わるであろうコーディングの未来は、「ノーコードツール」によってコーディングが不要になるというものです。
ノーコードツールも日に日に進歩しており、AIも搭載されました。
ノーコードツールの普及によってデザイナーがデザインを作った時点でコーディングまで終わっていますから、簡単なWebサイトであればコーディングという作業は不要です。
つまり、比較的シンプルかつ小規模なWebサイトのコーディングを請け負っている人たちの仕事は失われるわけです。

ときどき、ノーコードツールが吐き出したコードをさらにコーディングしなおして完成させるという話も見かけますが、それはノーコードツールの使い方として正しいとは言えません。ノーコードツールからの出力に手を加えてしまうと、二度とノーコードで再編集ができなくなるためです。それではFigmaなどのデザインツールと変わりませんので、ノーコードツールを使う意味がありません。

3年~5年以内の未来

3年~5年程度の間には、パブリッシング系Webサイトは「すべて」が変わってもおかしくないと思っています。
ここでパブリッシング系と呼んでいるのは、LP、キャンペーンサイト、会社案内サイトといった、冊子などの代替となっていたWebサイトです。

すべて変わるとは?

「すべて」変わるとは、どういうことでしょう?
それは、HTMLではなくなるという意味です。
例えば、数十年前からPDFをWebサイトとして公開することが出来ます。
PDFにはアクセシビリティ設定を加えることもできますし、ページ間のリンクもでき、フォームを設置することもできます。
しかしHTMLほどマシンリーダブルではないので、コンピューターが内容を判読するには限度がありました。
ところが、PDFリーダーに画像AIが搭載されれば、そのPDF紙面の内容を判読して適切なアクセシビリティ機能を提供したり、要約をしたり、詳細に内容を検索したりすることも可能になります。
現状でさえ、Google検索などでPDFが最上位に表示されることは多々あります。
つまり、PDFは十分にHTMLの代替となっているのです。

コーディングする意味はない

PDFの内容を画像AIが判読して適切に処理してくれれば、もはやコーディングする意味は全くありません。
通信環境の良し悪しや閲覧者の障害の状態によってAIを搭載した「PDFサーバー」が適切な状態でコンテンツを提供します。
デザイナーは、ずっと言われ続けてきた「コーディングの可否」によるデザイン上の制約を一切受けることなく、印刷物より簡単に「デザインが終わった時点でリリース」することが可能です。
A4サイズで作成すれば印刷にも簡単に対応できますし、Webページのように長いアートボードを使えば縦スクロールページにもできます。

データベースとの連携も可能

当然ながら、PDFはプログラムで生成することも可能ですので、データベースと連携させて「商品カタログ」や「新着情報」といったコンテンツを提供することも可能です。

Adobeはこのことに気が付いていないのかもしれない

このように、PDFサイトはHTMLサイトのうち「パブリッシング系サイト」を完全に上書きするものといっていいでしょう。
とはいえ肝心のAdobeが、PDFにAIを絡めようとしてくれなければどうしようもありません。(PDFそのものはオープン規格なので他社がやってもいいのですが)

つまり、その気になれば数年で取って代わる可能性があるものの、実際にそうなるかどうかは分からない。
しかし考えてみれば至極当然の方向性ではないでしょうか。