Jin「Running Wild」に、猛烈に感動したよ
感動した。即座に。瞬時に。猛烈に。
わーっと衝撃を受けて、興奮冷めやらぬまま何度も繰り返して、なんでこんなに素敵なんだ?と心の中の残響に問うてみる(実際に聞くと胸がいっぱいになってしまうので)。
その答えは声!彼の声、声につきる。
ジンくんは本当にもう、素晴らしい歌手だな。
そしてアイドル。歌声× 人間としての高みが掛け算に掛け算を重ねて分からないくらいの厚みになって、感動を生んでいる。
ジンくん、あなたって人は。
まさに、Born singer…!
🐕🚙☄️
元々、声フェチとしてジンくんを特段好んでいたというわけではなかった。マイナスな意味ではなく、多分"表現力が強すぎる"と思っていたんだな。BTSの曲中でも、その強さゆえに"満を辞して"出てくる感じが多かったイメージ。
囁くような声ではそっと、サビの高音ではお馴染みの"窓拭きボイス"で強く。この、拭う ⇄ 拭く の対比が魅力でありつつ、自分に迫ってくるような距離の近さを感じ、聞きながら構えてしまうことも正直、あった。
しかし彼のソロ活動では、なんだか不思議とその感じはなく。"満を辞して"だけではない、彼1人で完結する世界観をとても心地よくきいている。2年前の「The Astronaut」では敢えて低く抑えられた震える声が、不器用な置き手紙のようでたまらなく好きだった。「I'll be there」は、これまでないくらい強く丁寧な中低音の響きと、力むとキュウッと鳴る音の始めの対比がポップに混ざって可愛くて。この感じ、チャムチもそうですね。
でやっとRunning Wildなんだけど、
ええっ……
さらに声、こんなに幅があるのん……
ってなった。なったよ!
ここで冒頭の猛烈な感動、に話は戻る。
ハッハンサムッッ…!!
Aメロの入りがいきなりハンサム!
私ハンサムって言葉は彼にしか使いませんが、まさか声に使うとは思わなかった。
ジンくんの声ってI'll be thereで述べたように、音の始まりがポップに弾けるのが個性なんだと思ってたんだ。しかしこのAメロときたらそれが一切なくなってて、角が取れたようにスムーズ。その代わり、音の終わりの「end」「long ago」の染み入りよう!!しずけさや岩に染み入るJinの声、って松尾芭蕉も言ってた。静かに入ってきて最後にグンっと引き込んで奥に浸透していく。これは逃げられない。
それから、いくつかのフレーズの最初ははちょっと引っ掛けてて、「Remember」とか「Don't you」とか。
そこでウッッてなる。
ハンサムで胸が詰まる。
ウッッて胸が詰まったまま、
そのまま、解き放たれる。
We'll be running wild 〜〜〜〜!!
えーー何この解放感と昇天感!!!
このっっこの綺麗な…ファルセット!!!
これまで聞いてきたジンくんの声の強弱と高低のバランスが逆になっていないか?つまり低い時には強く、高い時に柔らかく。
からの最後に地声でいっちょぶちかます、We'll be running wild。ここでハッとなる。
あっ、ジンくんの声だ!って。
彼本来の距離の近さをサビの最後で思い出すのだ。
そこから最後まで、Aメロからずっとリズムとかバックのメロディの感じは変わらないのに、彼の声だけが淡々と、しかしそのドラマチックさは健在に、物語を歌い遂げていく。
すごい全然どうでもいいけど私先日フルマラソン走ってさ。走るという行為はずっと同じリズムで同じ動きの繰り返しで、まさにこの曲のBGM?のようなんだけど、距離を経るごとに疲れたり応援や景色に泣きそうになったり自分の身体や心は喜怒哀楽と共に確実に変化していくんだよね、ジンくんの七色の声のように。あー走るってこういうことよねって改めて思った次第。
そんな声で歌われるRunning Wild。
Runといえばで私の中に出てくるのはRun BTS。ジンくんが転役後すぐ始めてくれた、7人のバラエティのタイトルでもある。「バンタンの成功理由」はこれからも続くよってジンくんは言いたかったんだろうか、主語は"I"ではなく"We"だったもんね。我々ファン(ARMYというには気恥ずかしいライトなファンです)も含めてWeとしてくれているだろうか。
Running Wild初視聴からずっと感じている、このずしんとくる感動をまとめてみると。
表現力が強いあまり、 I ⇄ Youの等身大の関係性を感じさせすぎる、と思わせてきた彼が、今回"We"という大きな主語で、かつ、未来への道標を打ち立て、それを背負うに十分すぎる広さと懐の深さを持った声で、語ったということに帰結するかもしれない。
これまでの声質を180度裏返して、広いところから、サビの最後で一気に接近戦に持ち込む。しかし語り切った!というにはあまりに淡々としている全体的なサウンド。
HAPPYという響きから連想されるような明るい能天気ソングではない。しかし悲壮感もない。自分を定義したり掘り下げたりすることもしないが、だからといって立ち止まるわけでも諦めるわけでもない。ただこの瞬間を懸命に、愛を持って走ることが究極のHAPPY。彼の歌うリアルに共感と信頼しかない。
声の近さとは裏腹に、どこか達観しいつか消えてしまいそうな「星の王子さま」然とした雰囲気を彼から感じることもあったけど。なんだろう今は誰よりも近くにいてくれると心強く思える。彼の中でなにか、心境の変化や表現の獲得があったのかな。
まあ、なんでもいっか。
うん、改めて、ジンくんが大好きだ!
🐕🚙☄️
最後に、そうだ、MVの話。
「君の名は」を彷彿とさせる、あのなんなんだってくらいにどかんと降ってくる隕石すら、ジンくん(とイッヌ)は「淡々」と向き合っている印象を受けた。彼が向き合ってる現実ってあんなんなんだろうな、事務所問題とか絡めたら読みすぎなんだろうけど、あれくらいのことが毎日起きていて、その中を同じリズムで走っていくだけですというような彼の姿勢。ド派手な光景の中で途中挟まれるジンくんの涼しい瞳が印象的でした。愛らしい口元とクールな目元、存在感のある声に対して音楽は淡々と、このギャップこそキム・ソクジン!
なんかな、正直あのMV自体にいい気持ちはあまりしない。でも夕陽の中を走る車の景色に、Bon Voyage4ニュージーランド編のシーンを重ね(追記:ハワイ編かも…天文台行く所)、なんだか少し切なく懐かしくなりました。
ソロも大好きだけど、7人にも会いたい。
みんなでオーロラ見に行ってほしいな、どうかな。